司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

民法/消滅時効の援用について

angela 2011-05-13 05:02:52

小泉先生こんばんは。一つ質問させて下さい。テキストp202に主債務の消滅時効完成後、主たる債務者が債務の承認をした場合、保証人が主債務の消滅時効を援用できるかについて、争いがあるが、相対効からすれば、保証人は援用することができることになる。とあります。そこで、457条1項の主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生じる。とあります。この条文は、保証人が保証債務の消滅時効を援用できないと言っているのでしょうか?主たる債務が時効消滅すれば、附従性で保証債務も消滅するので、結論が逆になるのは、おかしいと考えてしまいます。私が言っているのが、争いのある一つの考え方なのかも分かりませんが、正直混乱しています。宜しくお願い致します。時効完成後の債務の承認により援用権を喪失するのと、時効完成前の債務の承認による時効の中断との違いに今気が付き、修正しています。相対効の例外が保証債務の中断の場合で、消滅時効の援用、時効利益の放棄については、相対効が原則通り認められるという解釈でよろしいのですか?そもそも、中断と援用権の喪失を同じと考えていたのが、間違っているのですね?宜しくお願いします。変な質問になってしまって申し訳ありません。

 

こんばんは。457条1項は,主たる債務者が債権者に対して債務の承認をすれば,保証人の保証債務についても時効中断の効果が及ぶという意味です。主たる債務に生じた事由は全て保証債務に影響するという「保証契約における附従性の論点」です。過去問平成1年2(3)があります。次に,<主債務の消滅時効完成後、主たる債務者が債務の承認をした場合、保証人が主債務の消滅時効を援用できるかについて>ですが,これは総則の「時効利益の放棄の効果」の論点です。完成後に承認することは時効利益の放棄です。論点の整理が大切です。放棄の効果は援用と同様相対効が働き,債務者が時効利益を放棄しても保証人には影響せず,保証人は主たる債務の消滅時効を援用できるというのが通説判例です。過去問平成5年3(ア)があります。民法は権利義務・利害関係の調整で成り立っていますので,前者論点では保証人の不利益よりも債権者の不利益が重いとの政策的判断が働き,後者論点では債権者の不利益よりも保証人の不利益が重いので相対的に影響させようとの政策的判断からこのような規範にしてあるのだと思います。「保証契約の附従性」「時効利益の放棄の効果」論点の把握と気づきが得点力には必須です。しかしあまり深く考えすぎるのは短期合格には毒になる場合がありますので,今後どんな言い回しで出題されても論点に気づくことができて正解できる程度の理解があれば十分です。合格祈願しています。

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children14 2011-05-13 01:36:08

いつもお忙しい中、丁寧に解説して頂き、本当にありがとうございます。特に今回は何が聞きたいのかわからないような内容だったにも拘わらず、意図をくんで頂き、詳しく解説して頂いて、恐縮しています。
講義を聴いた上で質問する以上、自分でとことん考えぬいてからしないと失礼にあたるという思いがありますので、深く考えている間に泥沼にはまってしまいました。
今は時間の許す限り、過去問を解き、論点、正確な正誤、理由が出てくるようになるまで、繰り返しています。
点線で囲っている部分や一問一答の問題をやってみたいという衝動に駆られる時も正直ありますが、過去問が90%になるまでは、過去問だけを繰り返します。
今回の論点は記載して頂いた過去問を参照しながら、もう一度確認し、プリントアウトして極テキストに貼っておきます。ご指摘頂いたように、あまり深く考えず、どの程度の事まで理解していれば、本試験で対応できるのかも過去問を通して把握していくように努めます。
本当にありがとうございました。

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angela  2011-05-13 05:02:52

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