koizumi 2012-09-30 17:58:19
今回は、信託登記がされている土地についての共有物分割を検討します。
【問い】甲土地及び乙土地について、それぞれA及びBが共有しており、各土地について、A持分を目的として、Cを受託者とする信託登記がなされている場合において、B及びCの間で、甲土地についてはC単独所有、乙土地については、B単独所有とする共有物分割がなされた。この場合に甲土地及び乙土地について、信託登記につきなすべき登記はいかなる登記か? また、それはいかなる理論構成によるものか?
解説は、次回第20回目の「3分間レッスン」で行います(9月24日UP予定)。 小泉嘉孝
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甲土地について
受託者がCで委託者がAとなってる信託登記を委託者もCとする必要があります
すでに所有権移転登記がなされてるので
所有権変更登記をすることになります
CにB持ち分移転する前提として
乙土地について
B単独所有とする前提としてCが持ち分所有者になる必要があります
所有権変更登記でCを委託者兼受託者とする必要があります
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kuril 2012-09-22 13:16:05
こんにちわ。信託はあまり勉強していない分野なので、試験に出たら冷や汗モノです。自分なりに考えてみました。
まず、乙土地の信託登記は、もはや信託財産に属さないと考えられるので信託登記の抹消を申請します。甲土地については、共有物分割により新たに取得した持分が信託財産に属すかどうかで結論が異なってきますが、設問からは信託財産に属するとの事情を読み取る事が出来なかったので、新たに取得した持分については、特に信託の登記をする必要はないのではないでしょうか?
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karaage 2012-09-22 14:40:50
小泉先生こんにちわ。
私は、甲土地については、B持分の移転登記と同時に信託の登記の変更登記を、乙土地については、信託登記の抹消を申請すると思います。
信託財産の処分によって、受託者が取得した財産には信託の効力が及びます。本件においては、共有物分割により乙土地の自己の持分を対価として甲土地のB持分を取得したようにとらえて、甲土地のCが取得した持分にも信託の効力が及ぶと考えました。
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nijntje 2012-09-22 17:00:25
☆ 今回は、共有持分の登記名義人である受託者が共有物分割を行った場合の登記手続をみなさんに考えてもらいましたが、そもそもこの受託者を当事者とする共有物分割自体が可能なのかを検討してみましょう。
受託者は、信託の設定により信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的達成のために必要な行為をする権限を有しており(信託26)、信託行為に定められた受託者の権限の範囲に属する限りは、共有物分割についても、信託財産に属する管理・処分の一形態として許容されるものと考えられます。
では、次にこの共有物分割が成立した場合の甲土地及び乙土地の登記手続について考えてみましょう。
まず、各土地について、「共有物分割」を原因とする持分全部移転登記が必要となるところはいいですね。
次に、問題となるのが、各土地の信託に関する登記です。
甲土地については、受託者CがBから取得した持分については、信託法16条1号に信託財産に属する財産の管理・処分により受託者が得た財産は、「信託財産に属する」と規定されている(信託の物上代位性)ことから、当該持分も、信託財産に組み入れられることになります。よって、ここでは、「信託財産の処分による信託登記」を行います。
一方、乙土地については、当該共有物分割により、Bに属することとなった信託財産であるC持分は、信託財産から除かれることになります。そこで、なすべき登記は、「信託財産の処分」を原因とした信託登記の抹消を行うことになります。 小泉嘉孝
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koizumi 2012-09-23 19:39:06
信託の物上代位性とはもともと受託者Cの信託財産のほかの何かを対価としてB持ち分を取得したのでこのように呼ばれるのでしょうか もし無償でB持ち分取得したならこのように呼べず処分したとは言えないような気がします
どうでしょうか
信託財産の処分による信託登記と信託財産の処分」を原因とした信託登記の抹消と比べると後者に原因という文字がありますがこれはどのような違いでしょうか 後者は対価がないからこう呼ばれるように思えますが
kuril 2012-09-24 15:32:20
kurilさん、こんにちは。「信託財産の物上代位性」とは、信託財産が他の財産に形を変えても、その新たな財産が信託財産を構成することを意味します。
そこで、信託財産に対する贈与によって受託者が無償で財産を取得した場合は、確かに「代位物」とは呼べません。
しかし、信託法16条が規定するのは、上記「信託財産の物上代位性」に加え、信託財産に対する贈与によって受託者が無償で取得した財産等も信託財産に属することを明らかにしたものと解されています(逐条解説 新しい信託法 P74~75参照)。 小泉嘉孝
koizumi 2012-09-30 17:58:19