caprasi 2012-09-28 08:13:42
商法(6)-5 P174
5議決権 (1)議決権の行使方法 について質問です。
"取締役会の決議の省略"と"持ち回り決議"は同じ概念なのかどうか、ということですが、どうなのでしょうか?
テキストの5(1)④では、持ち回り決議は不可となっていますが、これは"取締役会の決議の省略"と同じ要件を具備すれば、可能となるのでしょうか?
caprasiさん、こんばんは。
「取締役会の決議省略」と「持回り決議」は、異なった制度と捉えるべきと私は考えます。
最も大きく異なる点は、「持回り決議」は過半数の賛成を得ることで可決となりますが、「決議省略」は取締役全員の賛成を要し、監査役設置会社では、監査役が異議を述べていないことも必要となります。
もちろん、「取締役会の決議省略」は、取締役会設定会社を前提としているわけですが、この取締役会設置会社において、取締役全員の賛成が得られ、監査役が異議を述べていないケースでは、これを「持回り決議」と呼ぶ余地はないかというのが、caprasiさんの疑問だと思われます。
実は、この会社法370条の制度は、「取締役会の決議省略」の他に「書面決議」「みなし取締役会制度」といくつかの呼称があり、その中には「持回り決議」というのも一応存在します。
しかし、上記のように過半数の賛成で足りるか否かは大きな違いであり、これに「持回り決議」という用語を使用するのは正確ではないと指摘されています(会社法大要P117参照)。
そこで、テキストや講義の中では、この2つは異なる制度として説明を行っています。
小泉嘉孝
参考になった:4人
koizumi 2012-09-27 20:42:10
小泉先生、ありがとうございました!!非常によく分かりました!!
>会社法370条の制度は、「取締役会の決議省略」の他に「書面決議」「みなし取締役会制度」といくつかの呼称があり
はい、手持ちの参考書に「株主総会でのみなし決議が取締役会でも認められるようになった。持ち回り決議、書面決議、決議省略の制度などともいう。」と記載されていたので、明確な違いが見えなかったのです。
過半数の賛成で足りるか否か、監査役の異議の存在の2点が異なるので、異なる制度だと分かりスッキリしました。
ありがとうございました。
caprasi
caprasi 2012-09-28 08:13:42