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民法Ⅱ/地役権の登記と要役地の所有権移転

shikeidai 2012-10-03 01:00:11

すみません、質問お願い致します。

民法Ⅱアウトプットテキスト19-11 11年問10肢2
『甲地が乙地を通らなければ公道に出ることができない位置関係にある場合において、甲地の所有者Aが乙地の所有者Bから通行地役権の設定を受けた。Aが甲地の所有権とともに通行地役権をCに譲渡した場合、Cは、甲地の所有権移転の登記とともに地役権移転の登記を経由しなければ、第三者に対し、地役権の移転を対抗することができない。』
解答『×』

問題文の「地役権移転の登記を経由しなければ」というところから既に地役権はAにおいて設定に加えて登記もできていると読み取るべきということなのでしょうか?(『移転』という言葉から)
(だからあとは所有権移転登記さえ完了させれば全ての者に地役権を対抗できる、だから「×」ということなのでしょうか。)

ちなみに、もし問題文が「地役権の登記を経由しなければ、第三者に対し、・・・」(「移転」という言葉がない)であったとしたら、答えは「○」ということですか?

また、地役権の登記は、Aにおいて既に存在していれば土地譲受人Cも第三者に対抗できるというのはテキストで理解できるのですが、Aにおいて設定はあるが登記はまだない状態でCが譲受けた場合は、Cは第三者が承役地の新所有者になるよりも前に、Bに地役権の登記請求をして登記を備えれば第三者に対抗できるのでしょうか。それとも原所有者Aにおいて既に登記がないとダメなのでしょうか。

この問題は他の類似問題ということで解説講義はなかったのですが、僕には難問でした。

わからないことがあった時、もしかしたら変に考えすぎで、受験対策からそれてしまっているのではないかという不安におそわれたりもしますが、どこまで考えることが無駄か有益かが初学者なのでよくわかりませんので、変な質問でしたらごめんなさい。

 


 shikeidaiさん、こんにちは。問題文に所有者がAの段階で既に地役権設定の登記がなされているか否かが明らかでなければ、基本的には双方のケースを考慮すべきだといえます。

まず、地役権設定登記がなされていなければ、その地役権移転登記は当然あり得ないわけですが、所有権移転登記のみで地役権移転を対抗できるのは、承益地所有者B及びその包括承継人に限定され、第三者に対抗することはできません。

次に、地役権設定登記がなされていたケースであっても、その地役権移転登記は存在しないことから、「地役権移転の登記を経由しなければ」第三者に地役権移転を対抗できないというのは、明らかに誤りとなります。

よって、いずれのケースを考慮しても、本文では、「×」という解答になります。

また、問題文が「地役権の登記を経由しなければ、」となっていたケースについては、地役権の登記を「経由」するというからには、それは地役権移転登記のことが問われていると判断すべきであり、上記と同様の結論となります。

さらに、Cへの所有権移転がなされた時点で、地役権設定登記がなされておらず、その後、Cが所有権登記名義人となった後に地役権設定登記を行うのであれば、B及びCを申請人としてその登記を申請することはできず、改めてBC間で地役権設定契約を締結し、これに基づく登記を申請すべきものと考えます。
(極テキスト 不動産登記法Ⅲ P190②地上権のケースを参照して下さい。) 

参考になった:3

Heathcliff 2012-09-30 17:33:13

Heathcliffさん、ご解説ありがとうございます。まずは問題文に「地役権移転の登記を経由しなければ」というように『移転』という言葉があっても地役権設定登記が既になされているかどうかはまだ明らかではないということなのですね、大変勉強になりました!
そして場合分けして考えて答えを出すのですね、なるほど。確かにそう考えればこの問題解けますね。

ご解説の後半については理解できませんでした、考えても頭が全く追い付きません。出直してまいります。せっかく解説していただいたのにすみませんでした。
貴重なお時間を、ありがとうございました。

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shikeidai  2012-10-03 01:00:11

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