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/民法 建物合体による抵当権の帰趨について

afaktym 2013-02-03 09:58:51

2014年版過去問編民法Ⅱの40-19
A所有の建物甲及びB所有の建物乙が工事によって一棟の建物丙となった場合において、甲乙間に主従の区別をすることができないときは、甲において設定されていた抵当権は、建物丙のうちの甲建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして、存続する。

答え 正

甲建物(A所有)、乙建物(B所有)それぞれの建物に設定されていた抵当権は消滅せず、丙建物に対し、甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とする抵当権として存在する。(最判平6.1.25)

2014年版過去問編民法Ⅲの51-4
A所有の建物甲及び建物乙が、その間の隔壁を除去する等の工事によって、一棟の建物丙となった場合には、建物甲の所有権は、建物丙のうちの建物甲の価格の割合に応じた持分となり、Aは、この持分上に抵当権を設定することができる。

答え 誤

同一所有者のものであるから、添付(民242)の規定の適用なし。単に丙建物に1個の所有権が成立するだけで、「持分」なるものは存在しない。

ということですが、次のケースはどうなるでしょうか。教えてください。


A所有の建物甲及びA所有の建物乙が工事によって一棟の建物丙となった場合において、甲乙間に主従の区別をすることができないときは、甲において設定されていた抵当権は、建物丙のうちの甲建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして、存続するか否か。

私見
同一所有者のものであるから、添付(民242)の規定の適用なし。単に丙建物に1個の所有権が成立するだけで、「持分」なるものは存在しない。だから、建物甲だけに設定されていた抵当権が丙建物に存続する手法がなく、当該抵当権は消滅する。と思うのですが、どうでしょうか。
もっとも、建物合体の登記のときは、甲建物の抵当権者の承諾が必要ですか。そうであれば、丙建物全体に抵当権を設定するとの合意ができなければ、建物合体登記を承認せず、競売することになると思います。

しかし、マンション「201号室」と「202号室」が同一所有者で「201号室」に抵当権が設定されており、隔壁にドアを開通したら実質一棟の建物と判断され、「201号室」の抵当権に基づく競売をしたときの評価人がどのように判断するかはわかりません。一棟の建物として競売不能か、合体の登記を命じてから評価となるのか。先例、判例等ありましたら、教えてください。




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丙建物を目的として、抵当権が存続することになると思います。
Aが、甲建物と乙建物を合体したために、持ち分が考えられるが、同一所有者に属するために、持ち分になることなく丙建物の一個の所有権をAは、取得する。
そして、抵当権の随伴性によって甲建物に設定された抵当権は、丙建物に移る。
この抵当権移転について、Aは、承諾義務を負う。
Aの行為によって、抵当権者を害することになることは、許されないから。

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sarutasaru 2013-02-03 13:09:07

正しいかわかりませんがよろしくお願いします。
2個の専有部分を1個の専有部分にする場合以下の登記申請をすると思います。
区分建物表題登記及び合体前の区分建物の表題登記抹消
抵当権の登記等で合体後の建物に存続する場合、建物の所有者が同一であっても他人と見なして持分に対する承諾書を作成します。それによって抵当権等がどの持ち分に対して存続するかを明らかにします。

※ 関係法令・・・不動産登記令7条1項6号、別表13

よって持分の上に抵当権は存続すると思います。

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zaq123 2013-02-03 13:25:14

持ち分に対する承諾書を作成するとありますが、甲建物が一千万円、乙建物が二千万円と仮定すると、合体によって、三千万円になると、持ち分の割合で結局一千万円になるので問題ないと思いますが、二千五百万円にしかならない場合には、抵当権者を害することになると思います。そのために、丙建物全体に及ぶと、私は考えています。
丙建物全体に及ぶことによって、所有者たるAは、合体でき、抵当権者は丙建物全体に抵当権の行使ができることによって利益を失うことがないのでは、と思うからです。
そのために、抵当権者が承諾しない場合には、Aは、合体ができないことの不都合も、丙建物全体に及ぶことによってないと思います。
私の、勝手な解釈ですが、間違いを指摘してもらえるとありがたいです。

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sarutasaru  2013-02-03 15:18:12

zaq123へ

ありがとうございます。
成程ですね。

確かに、不動産登記令別表一三 ニ(カタカナのニ) 
存続登記がある建物の所有権の登記名義人が次に掲げる者と同一の者であるときは、これらの者が同一の者でないものとみなした場合における持分(以下略)、とありますね。

不動産登記記録例集(テイハン)76ページには、次のとおりあります。

[甲区]
登記の目的    合体による所有権の登記

受付年月日・受付番号    余白

権利者その他の事項   共有者
            何市何町何番地
            持分3分の2
            何市何町何番地
            甲 某 [ あ ] 
            何市何町何番地
            3分の1
            甲 某 [ い ]
            平成何年何月何日登記

つまり、所有者A[ あ ]持分2/3、所有者A[ い ]持分1/3という持分の登記があるのですね。

更に、不動産登記記録例集(テイハン)76ページには、次のとおりあります。

合体前の建物の抵当権の登記で合体後の建物の持分の上に存続するものがある場合

[乙区]
登記の目的   何某持分抵当権設定

権利者その他の事項   原因  平成何年何月何日
            債権額  金何万円
            利息  年何%
            損害金  年何%
            債務者  何市何町何番地
              何  某
            抵当権者 何市何町何番地
              何  某
            不動産登記規則第120条第4項の規定により家屋番号
            3番の1の順位1番の登記を平成何年何月何日移記

つまり、登記の目的 何某持分抵当権設定を「所有者A[ あ ]持分抵当権設定」にすればいいのだと思います。

これでいいのかどうか誰か教えてください。
 






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afaktym  2013-02-03 15:57:01

追記 抵当権者が承諾していない場合は合体の登記が出来ないことが前提にあって、その上で
           ▼
   抵当権者の承諾もらえた
           ▼
   合体による登記等の申請(不登法49条1項5号)
   201号室(60㎡)と202号室(30㎡)の合体
           ▼
   上記の登記により表題部が抹消されるので抵当権の存続登記(不登令13条ハ)
           ▼
   所有者がAの場合、
    持分3分の2 A〔あ〕 ←201号室・・・①(当初抵当権が設定されていた)
      3分の1 A〔い〕 ←202号室・・・② のように2つに分ける。
   そして、A〔あ〕の持分に抵当権が存続する。
           ▼
   抵当権者にとって不利益はない、もし抵当権の債権額が上回っているなら
           ▼
   ②の部分にも抵当権の効力を及ぼす変更登記をするなど
           ▼
   競売へ売却がスムーズかもしれませんね。

今、記入しながらコメント確認させていただきました。回答おそくなり申し訳ありません。
(出題は土地家屋調査士やマンション管理士の範囲かもしれませんね(笑))

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zaq123  2013-02-03 16:56:05

Zap123さんへ
教えていただきありがとうございます。
私は、こんな規定があることすら知りませんでした。
しかし、思い切りよく質問し、正しい知識を得ることができた。
今後も、私の誤りを見つけたら訂正お願いします。

afakymさんへ
初めから、私の解答を当てにはしてなかったと思いますが、変な解答失礼しました。
又、変な解答すると思いますけど、よろしくお願いします。
間違いを見つけたら訂正お願いします。

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sarutasaru  2013-02-03 17:26:17

通常、金融機関の抵当権設定契約書には以下の文がありますので、質問の様な疑問は発生しません。

書面による事前の承諾を得なければ、本件不動産の現状を変更し、譲渡し、又は第三者のために権利を設定出来ないものとする。

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senpai 2013-02-03 14:01:13

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