司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/一問一答式 論点集中講座 会社法編(第3回後半)

welsper 2013-05-25 06:06:56

こんにちは、講義の内容について把握ができず解説がいただけたらと思い書き込みします。

本講義DVD第3回(改訂版)1時間22分あたりの部分
TXT INPUT編Ⅱ P.4 上から3つ目の表③
についてお願いします。

講義の主旨:
損害を及ぼすおそれのあるとき
種類株主総会で決議を要する場合

txt
---------------------------
定款で種類株主総会の決議不要とできるもの

③上記a単元株式は○(注3)その他×(注4)
----------------------------
(※注3・4の表記は質問と関連が少ないと判断し割愛)
とあり、
上記aには

txt
----------------------------
a 次に掲げる事項について定款の変更
 イ 株式の種類追加
 ロ 株式の内容の変更
 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
-----------------------------
と記載されています。
映像中、小泉先生は「ハ」を例にあげて解説をされていますが、
株式の種類追加・内容変更・発行可能数増加の話と
急に示された単元株式の話の関連がまるで把握できず
講義内容が理解できていません。

「上記a」と「単元株式」
の関連・講義の意図を説明いただけたらと思い質問しました。

よろしくお願いします。



 

ご質問の件は、会社法322条の1項、2項、3項を順番に読んでいけば分かり易いと思います。

もともと、種類株主総会の決議は種類株主の利益保護のために設けられたものですが、一方で他の株主からすると通常の株主総会で決議しても種類株主総会により否決され当該議案を実施できない「拒否権」としての性格も有しています。

①そこで会社法は、「拒否権」の及ぶ範囲を限定するため、322条1項で種類株主総会での決議を要する事項を明確にし(322条1項1号乃至13号)、定款で定めることにより、これらの事項については種類株主総会での決議を排除できることとしました(同条2項)

②ただし、種類株主の利害に最も重大な影響を及ぼす、322条1項1号の列挙事由(イ株式の種類の追加、ロ株式の内容の変更、ハ発行可能株式総数又は種類株式総数の増加)については定款の定めを以っても決議を排除できないこととし(322条3項ただし書)、種類株主の利益保護を図りました。

③しかし、単元株数についての種類株式の内容の変更については、実質的には「株式の併合又は分割」(322条1項2号)と同じで種類株主の利益を害するおそれがないので、定款により決議を排除しうることとしました(322条3項ただし書かっこ書)

以上、条文の構造が①原則(定款で種類株主総会決議を排除可)→②例外(排除不可)→③例外の例外=原則にもどる(排除可)と3段構造となっていているので、この構造をつかめば、ご質問の件はご理解いただけると思います。

よろしくお願い致します。

参考になった:1

yasuhirow 2013-05-27 12:01:19

ご回答ありがとうございました。

単元株数 → 種類株式の内容の変更のひとつ

という扱いであり、また、「株式の併合又は分割」と実質的に同じ効果を表す変更なので
「株式の併合・分割」と同様、定款により種類株主総会決議の排除を認めている。

ということなんですね。
落ち着きが少々足りなかったようです。解説いただいたおかげでとても理解が深まりました。

ありがとうございました。



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welsper  2013-05-29 10:00:54

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