miyuki 2013-08-21 14:20:43
あるテキストの解説がわからないので教えてください。
(問題)
AがBの詐欺により、Bとの間でA所有の甲土地を売り渡す契約を締結したという事例に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはどれか。
(中略)
エ Aは、詐欺の事実に気づいて売買契約の意思表示を取り消した場合において、Bへの所有権移転登記を経由していた時は、Bが第三者に転売した後であっても、Bに対しその登記の抹消を請求することができる。
(解説)
〇 本肢においてBが転売した第三者が善意であるか否かは明らかにされていないが、第三者が善意であれば、Aはその者に対抗できないことになる。しかし、対抗できるか否かの問題と詐欺による取消しを主張しうるか否かの問題は別問題であり、第三者の善意・悪意を問わず、AはBに対して登記の抹消を請求することができる。
上記のような解説があり、よく理解ができなかったため、ネットで検索してみたところ、下記の判例が出てきました。
前提条件として、A(取消権者)からBへ不動産の売却が行われ、登記の移動も行われているとする。その後にBからC(第3者)へこの不動産が売却されたものとする。
Aが詐欺を理由に取消を行い、取消前にBC間で売買と登記の移転が行われた場合は民法第96条3項によると「詐欺ニ因ル意思表示ノ取消ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス」と規定され、Aは登記の有無にかかわらず善意のCに対抗することはできないと考えることができる。判例においても、X(取消権者)がAに不動産を売却し登記の移転を行い、AはY(第3者)にこの不動産を譲渡して仮登記を行った。その後XがAの詐欺を理由とし取消を行い、Yに仮登記の抹消請求を起こした。原審はXの請求を認めたが、Yが自分は民法第96条3項の「善意の第3者」であると主張した請求を違法とした事例において、最高裁はYを「善意の第3者」としYに所有権を認めると判事した。(最判昭49・9・26民集28巻6号1213頁)
上記の解説と判例をすり合わせて考えると、問題文中のAは、第三者には請求できないが、Bには請求できる(しかし、現実的に登記は戻ってこない)と考えればよいのでしょうか?
なお、こんな資料も見つけました。
登記原因の無効または取消しが第三者に対抗することができない場合(例えば、通謀虚偽表示による無効、詐欺による取消し等)には、第三者である登記名義人が登記の抹消を承諾しない限り、 抹消の登記を申請することができない。なお、「真正な登記名義の回復」を登記原因とする所有権移転の登記を共同申請することはできる。
上記判例と、上記資料を見ると、テキストの解説が間違っているように思うのですが・・・解説をお願いします。
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「問題文中のAは、第三者には請求できないが、Bには請求できる(しかし、現実的に登記は戻ってこない)と考えればよいのでしょうか?」
試験対策上はそう考えておくしかないでしょう。
落とすための試験なので、対抗問題と混同させようという意図が見えます。
あるいは、「AはBにたいして」を「AはC(第三者)にたいして」と読み違えるそそっかしい人を見つけるためとか。
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senpai 2013-08-22 14:22:48
この場合の詐欺による取り消しは、意思表示として「AはBに取り消しを求めることができる」となります。
(まあ現実には取り消しはできないのですが・・・)
そのかわりAはBに取り消しの意思表示をしたことによって、損害賠償請求があたえられると思います。
そしてその賠償金額はCへの売買代金になると思います。
よってAとBの取引行為は善意の第三者であるCには対抗できませんが、(善意のCからしてみたら知らない人が取り消しを求めたことになります) 詐欺を行ったBには対抗できる(文句を言える、その取引は無効であり、取り消すよ!!)と言えるわけです。
勉強頑張ってください。
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lilohime 2013-08-24 17:27:08
ありがとうございました。
どうも、「契約の取り消しを請求することができる」ことと「登記の抹消を請求することができる」こととは違うような気がして、直前チェックの解説に納得ができないのですが、おそらくlilohimeさんのおっしゃるとうり「文句が言える」かどうかで回答を導かないといけないのでしょう。
励ましの言葉もいただき、ありがとうございました。
miyuki 2013-08-28 09:12:24