司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/民訴/督促手続き/仮執行宣言後の督促異議

syouhouiya 2013-10-23 18:41:43

いつもありがとうございます。
仮執行宣言後の督促異議の効果として『支払い督促の確定は阻止されるが、仮執行宣言の執行力は当然には執行しない。支払い督促に基づいて強制執行することができる。』とあったのですがどうも腑に落ちません。具体的にどういった事例による状況なのでしょうか。
よろしくお願いします。

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そもそも支払督促制度が現実的に功を奏する場面は、極めて少ないと言われます。

よほど債権債務関係が明白で、支払期日・債権額etcの点で、一切債務者側に異論がなく、争うつもりもないと見込まれる場合にのみ有効な手段ということになります。

債権者は支払督促制度を利用しようとする場合、簡易裁判所の書記官に対して申し立てをします。
窓口が書記官、というだけではなく、裁判官の関与は支払督促制度に関しては一切ないのです。

裁判所書記官は債権者が申し立てた通りの内容で支払督促を作成し、債務者に送達します。
その真偽等について、書記官は一切関知しません。
極端に言えば、借用書が偽造のものであろうが、債権者の一方的主張のとおりの内容で支払督促は送達されるでしょう。

送達された債務者は、その内容に身に覚えがない等、不当だと思えば「督促異議」ができます。
この手続きは実に簡単なもので、ただ「異議あり」と回答すれば良いだけです。なぜ異議があるのか等、その理由を書く必要も、疎明・証明の必要もありません。

従って、反論すべき理由があるなら、債務者としては直ちに督促異議を出すはずです。仮執行宣言前に異議を出せという要求も、制度的に債務者にとってそれほど酷なものではありません。

逆に、仮執行宣言後になって債務者が異議を提出した場合にまで強制執行がストップするとなると、簡易迅速のために設けられた支払督促制度の趣旨を没却しかねないわけです。

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Qidian42 2013-10-23 20:11:58

背景がわかり非常によくわかりました。ありがとうございます。

また基本的な根本的な質問になってしまっていそうで恐縮なのですが、実際に強制執行がストップしないとなると、家の物など売却できるものがないか訪ねてくるということだと思うのですが、これは支払い督促の確定といえないのでしょうか・・・。

実際に家具などが競売などに出てしまうことになるのですよね。それとも競売には出て値がつくけれども、まだ債務者に支払う期間が確保されていて、もしかしたら強制的に執行された物が債務者のところに帰ってくる余地があるので確定ではないといっているのでしょうか。またおかしな質問になってたらごめんなさい。

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syouhouiya  2013-10-23 21:03:51

>支払い督促の確定といえないのでしょうか・・・。

仮執行宣言後に督促異議が出された場合は強制執行手続きは止まらないのですが(つまり、おっしゃる通り、執行官が債務者の住居にドカドカと乗り込んできて、金目のものを差し押さえたりすることになるでしょうね…)、「確定」はしていません。

つまり、この場合の債務者の財産は、執行官(国)が保管するということになります。
この段階で競売手続きはまだ行いません。

つまり、債権者と債務者の争いの場は法廷へ移り、後日もし債務者が勝訴すれば差し押さえられた財産は返却されます。

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Qidian42 2013-10-23 21:24:17

本当に感謝します。執行官保管の状態になるということなのですね。
流れがやっとわかってきました。ありがとうございました。

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syouhouiya  2013-10-23 21:57:17

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