
syouhouiya 2013-11-17 12:05:06
いつもありがとうございます。
司法書士法22条について質問させて下さい。
法人が相手方の依頼を受けて裁判所に提出する書類を作成する業務を行った事件が前件として、その法人の社員が簡裁訴訟代理等関係業務を後件として行うことは禁止されていないという解釈で間違えないでしょうか。
条文読み込み等してみて疑問に感じました。
よろしくお願いいたします。
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一応、確認のため書いてみます。
法人を東京電力に、法人の社員を取締役小泉純一郎に置き換えて、
小泉純一郎は、取締役の地位のまま、外部の原発反対運動を指揮することはできません。
司法書士法42条
これを知った上での、質問でしょうか。
ちょっとたとえが的外れなので、
社員の競業の禁止)
第42条 司法書士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその司法書士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の司法書士法人の社員となつてはならない。
2 司法書士法人の社員が前項の規定に違反して自己又は第三者のためにその司法書士法人の業務の範囲に属する業務を行つたときは、当該業務によつて当該社員又は第三者が得た利益の額は、司法書士法人に生じた損害の額と推定する。
司法書士法人の社員は競合禁止。競業したら競業者の利益=法人の損害
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senpai 2013-11-18 15:21:39
回答ありがとうございます。
そういえば競業禁止でした…。
司法書士法42条と22条ですごい似たような事例な気がしてなりません。
法人が相手方の裁判書類作成をして社員が後件で簡易裁判を扱えないのは42条の処理で、法人が相手方の簡易裁判を取り扱って社員が後件で簡易裁判を扱えないとするのは22条の処理。一くくりに競業禁止としてしまえば22条2項三号は必要ないように思えてしまいます。これはそもそも条文の意味合いが違うのでしょうか。法人が前件で何をしたかによって使う条文が変わってくるということなのでしょうか…。
syouhouiya 2013-11-18 20:12:31
>司法書士法42条と22条ですごい似たような事例な気がしてなりません。
>法人が相手方の裁判書類作成をして社員が後件で簡易裁判を扱えないのは42条の処理で、法人が相手方の簡易裁判を取り扱って社員が後件で簡易裁判を扱えないとするのは22条の処理。一くくりに競業禁止としてしまえば22条2項三号は必要ないように思えてしまいます。これはそもそも条文の意味合いが違うのでしょうか。法人が前件で何をしたかによって使う条文が変わってくるということなのでしょうか…。
既に解決されておられるかもしれませんが、上記の点につき回答させていただきます。
司法書士法22条と42条は、別に「司法書士法人が前件で何をしたか」によって使い分けられているわけではありません。
まず、22条は司法書士であれば誰に対しても適用される条文であって、業務を行ってはいけないケースが列挙されています。趣旨は、『双方代理の禁止』にあります。
一方、42条は司法書士法人の「社員」という立場の者にして、特別に加重されている禁止事項です。こちらの趣旨は、既にご存知のとおり、『競業禁止』です。
上記を踏まえたうえで、既にご理解されている点も多々あるかと思いますが、確認も兼ねて以下のことを明確にして下さい。22条と42条の「棲み分け」が自ずから明らかになると思います。
①『司法書士法人』で働く司法書士には『社員』と『使用人その他の従業員』がいる。
※ここで『社員』とは、いわゆる会社員(=サラリーマン)的な意味ではありません。むしろ、会社法における持分会社における『社員』と同様、経営者側の人物、と考えるべきです。
単に経営的側面(利潤追求)だけで言えば、有資格者である必要はないはずですが、司法書士法人の場合、社員は司法書士であることを義務付けています(28(1))。
一方、当然サラリーマンとして賃金をもらいつつ働く司法書士もおり、こちらは『使用人その他の従業員』となります。
②司法書士は、本来、個人の資格で独立して依頼を受け、業務をすることができる(原則)。
※司法書士は、理屈上は、資格取得時より直ちに独立・開業することを許されています。
どこかの司法書士法人に雇われているサラリーマン司法書士だとしても、勤務先の司法書士法人で担当している業務とは別に、個人的に友人・知人の相談・依頼を受け、業務をすることも、法律上は何ら問題ありません(現実的には、勤務先の司法書士法人の服務規程等で禁止・制限されるかもしれませんが)。
③司法書士法人の社員は、個人資格で業務を受任することすらできない(競業禁止 42条)。
※厳密には、当該法人が定款で規定した「業務の範囲」に抵触しないものなら受任できる可能性はありますが、いずれにせよ、個人としては大幅な制約が課せられます。
経営者として、司法書士法人の利益を損なう行為とみなされるからです。
④「第3条第1項第4号及び第5号(第4号に関する部分に限る)に規定する業務」とは、依頼人と相手方が対立し、争っている局面である。
※司法書士は、登記申請業務等に関しては、権利者と義務者双方から委任状をもらい、代理することができました。これは実体上、権利の移転は既に行われており、それを登記上公示する手続きだけの代理だからです。
ところが、今回は実体上、依頼者と相手方は権利の帰属をめぐって争っている最中なのですから、原則通り、双方代理はマズいわけです。
※ちなみに、司法書士法人というのは、実社会では、それほど設立されていないそうです。
「○○合同法務事務所」等の看板掲げ、複数の司法書士の先生が在籍しておられる場合であっても、大抵は複数の個人司法書士の事務所がたまたま同じ場所に登録されている、という位置づけにすぎず、テナントビルの1フロアを共同で賃借しているだけ、という場合が多いようです。
一旦法人化すると、社員には連帯責任が生じるなど、規制でがんじがらめになるので、こういう形態を敢えて採る「旨み」が少ないのかもしれません。
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Qidian42 2013-11-21 10:33:04
お礼遅れて申し訳ありませんでした。一身上の都合で勉強どころではなくなってしまい…。
なるほど趣旨が違うのですね。補足説明まで感謝してます。
回答解説ありがとうございました。
syouhouiya 2013-12-19 08:52:04