okapyon 2013-11-24 12:43:22
2014年初級編を使用しております。
択一過去問の3-18ですが、
問題文
所有権を敷地権とする登記をした区分建物及びその
敷地権である旨の登記がされた土地について、
区分建物の表題部所有者Aが死亡したときは、
その相続人Bは、B名義での所有権保存の登記を
申請することができる。
とあり、答えは◯なのですが、
inputテキストの28ページでは相続人の所有権保存登記は×
のように書いてあります。
根拠条文の違いからそのような見解になるような
気がしておりますが、いまいちよくわかりません。
もし、根拠条文の違いだとすればどのように解釈をすればよいのか。
もしくは、違う考え方が存在するのか。
お分かりになる方教えて下さい。
宜しくお願いします。
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恐れ入ります。
まず一つ確認させてください。
inputテキストの28ページは74条2項保存をする場合の申請適格者に関する説明になっています。
一方、択一過去問の3-18は74条1項で考える場面となります。
この点は承知されていますか?
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Qidian42 2013-11-24 13:37:59
Qidian42さん
やはりそうですよね。
3-18では解説が74条1項の解説でしたので、それは理解できていると思います。
74条1項で当てはめる場合と74条2項で当てはめて考える場合がよく分からず、
問題文を繰り返しパターンで慣れるしかないのでしょうか?
あと、3-18の解説で
なお、書式精義は相続人を74条2項の転得者と同視し、根拠条項は74条1項1号としつつ、
敷地権の移転の効力も含めて、相続人名義の保存登記を申請する事を認めている。
とありますが、この文章は
74条1項1号を根拠条項として、相続人名義の保存登記を申請できる。
この相続人は74条2項の転得者と同視する。
という意味で大丈夫でしょうか?
74条2項では相続人名義での保存登記はできず、74条1項1号では保存登記は可能
という事なのでしょうか?
間違え等ございましたら、御指摘お願いします。
宜しくお願いします。
okapyon 2013-11-24 17:29:28
>74条1項で当てはめる場合と74条2項で当てはめて考える場合がよく分からず、
>問題文を繰り返しパターンで慣れるしかないのでしょうか?
まず74条1項と2項の当てはめについて説明させていただきます。
不動産保存登記に関しては原則が1項、例外的条件下で適用されるのが2項、とご理解ください。
対象が区分建物でもまずは1項で考え、次に2項が当てはまるケースか検討すれば良いでしょう。
最初に1項ですが、申請適格者は以下の3パターンでした。
①表題部所有者又はその相続人その他一般承継人
②所有権を有することが確定判決によって確認された者
③収用により所有権を取得した者
以上がテキスト4ページ~22ページまでの範囲で解説されています。
問題3-18の「表題部所有者Aの相続人B」は上記①に該当しています。
次に2項ですが、こちらが適用されるには、次の2つを満たす必要があります。
①所有権保存の対象が区分建物であること
②表題部所有者から直接に所有権を譲り受けた者からの申請であること
「直接に所有権を譲り受けた者」とは、具体的には表題部所有者から区分建物を購入or受贈した者等がこれに該当します。
また、相続人が該当しないことはテキスト28ページの解説のとおりです。問題に「表題部所有者から購入した~」等という記述がなければ、2項の適用場面ではない、と考えて良いでしょう。
>あと、3-18の解説で
>なお、書式精義は相続人を74条2項の転得者と同視し、根拠条項は74条1項1号としつつ、
>敷地権の移転の効力も含めて、相続人名義の保存登記を申請する事を認めている。
>
>とありますが、、この文章は
>74条1項1号を根拠条項として、相続人名義の保存登記を申請できる。
>この相続人は74条2項の転得者と同視する。
>という意味で大丈夫でしょうか?
確かにこの部分、少々難解だと思います。
結論としてはそういうこととなるのですが、なぜ74条1項を適用しつつ、「74条2項の転得者と同視」という説明の仕方になったか、を理解する必要があります。
本来、74条1項の保存登記というのは、1つの物件に対しての保存登記という意味しかありません。
これに対し、74条2項の保存登記で敷地権付き区分建物が対象の場合は、保存登記の中に「①区分建物の保存+②敷地権の移転」という2つの意味が付加されています(テキスト31ページ(1)①を参照)。
「所有権を敷地権とする登記をした区分建物」を表題部所有者の相続人が保存登記する場合、本来の意味から言えば、74条1項の対象となるのは区分建物の方だけであり、敷地権の方は別途、相続を原因とする所有権移転登記等をするべき、ということになります。
しかし、これをもし行うとすると、まず土地の敷地権である旨の登記を抹消した上で、相続を原因とする所有権移転登記等をしていく手順となり、手間もかかります。
そこで、問題3-18のようなケースでは、申請人は相続人だから適用条文は74条1項であるが、その保存登記によって、あたかも74条2項申請のような「①区分建物の保存+②敷地権の移転」という2つの意味を持たせて構わない。その理由付けとして「74条2項の転得者と同視」できるから。と述べているのだと思います。
この部分だけ見れば、確かにテキスト28ページと矛盾しているようにも見えますね。
そもそも理論上は、テキスト28ページの記載が全てであり、本当は相続人が「74条2項の転得者と同視」できるわけありません。
しかし、74条1項申請に「敷地権移転」の意味を内包させる、という実務的な要請がまずあり、それを法的に説明・解釈するために「無理やり」こうした説明をしているのだと思われます。
不動産登記法には、時々、実務的合理性が優先される結果、理論的な整合性の面では変だな、と思う場面も出てきます。
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Qidian42 2013-11-24 20:32:14
Qidian42さん
丁寧な返答ありがとうございます!
ノートにまとめてみて、だいぶ頭の整理ができました!
何度か読み返せば、理解できそうです。
また分からない事がありましたら、宜しくお願いします。
okapyon 2013-11-24 23:35:35