nagasaki 2013-11-25 01:53:53
免責的債務引き受けによる抵当権の債務者変更では
利害関係人がいないという理由で承諾を証する情報は不要とあります。
ですが遺産分割による債務引き受けでは債務についての遺産分割は
債権者の同意がないと債権者を害することが
あることから債務の遺産分割を認めないとあります。
両者とも債務者の変更が伴う抵当権の変更登記をするのに
一方は利害関係人がいないという理由で承諾証明情報は
いらないのに、一方は債権者という利害関係人の同意が
いると一見相反した結論となる理由は何なのでしょうか?
お分かりになる方ご教授お願いいたします。
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免責的債務引受契約書
債権者△△△△(以下「甲」という)、引受人□□□□(以下「乙」という)及び債務者××××(以下「丙」という)は、以下のとおり債務引受契約を締結する。
第1条 乙は、甲と丙との間の平成○○年○○月○○日付金銭消費賃借契約(以下「原契約」という)に基づき丙が甲に対して負担する下記債務(以下「本件債務」という)を、丙に代わって引受ける。この引受により債務の同一性は変じない。
記
元 本 金○○○○円
利 息 年○○パーセント
弁 済 期 平成○○年○○月○○日
遅延損害金 年○○パーセント
第2条 甲は、前条により乙が債務引受をしたことにより、丙が本件債務を免れることを確認する。
第3条 乙は、甲に対し、原契約の条項に従って本件債務を履行する。
本契約の成立を証するため、本証書3通を作成し、甲、乙、丙各1通を所有する。
平成○○年○○月○○日
甲 住所
氏名 △ △ △ △ ㊞
乙 住所
氏名 □ □ □ □ ㊞
丙 住所
氏名 × × × × ㊞
債権者は契約で納得しているのだから、改めて承諾書を作成する必要はありません。
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senpai 2013-11-25 07:55:11
どちらの場合でも、添付情報としての『承諾証明情報』は必要ありませんよ。
まず免責的債務引受の契約当事者を考えてみましょう。
①三面契約
②債権者と引受人の契約
⇒旧債務者の意思に反しない限りOK
③旧債務者と引受人の契約
⇒債権者の承諾を停止条件としてOK
これらの3つのケースがあるわけですが、①②に関しては、債権者自身が契約の当事者となるため、承諾の要否が問題になることもありません。
また、③の場合で、免責的債務引受が有効に成立するためには、債権者の承諾が必要になります。
理由は、遺産分割による債務引受と同様、債権者を害することがあるからです。
しかし、債権者は権利者として登記申請に関与しますから、承諾証明情報は添付する必要はありません。
よって、実態上はケースごとで、債権者の承諾が必要な場合と、不要な場合がありますが、登記手続き上は、債権者の承諾は必要ない。ということになります。
次に遺産分割による債務引受を考えます。
抵当権の被担保債権の債務者が死亡して相続が開始した場合、被担保債務については、相続放棄者、相続欠格者、被廃除者以外の相続人全員が、相続分に応じて分割して債務を承継します。
これは、相続分に応じない債務の分割を認めれば債務引受と同様の結果となり、債権者を害するおそれがあるからです。
しかし、債権者が承諾しているのであれば、【債権者を害するおそれ~】等は考える必要がなくなりますので、債務の分割を認めることができます。
また、遺産分割は通常、相続人全員で協議されるもので、債権者も一緒に協議に混ざるということはありませんので、上記、免責的債務引受で当てはめれば、③のケースしか想定しにくいことから、ほぼ必ず債権者の承諾が必要になります。
この遺産分割による債務引受の場合でも、登記手続きで考えれば、債権者は権利者として関与しますから、承諾証明情報は不要となります。
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seawind 2013-11-25 16:53:24