aketomo 2014-06-17 17:45:47
強迫による取消後の本人と第三者は対抗関係に立つと思います。ただ、争いがあるとのことですがそれはどういったものなのでしょうか?
強迫の場合は本人の保護を重視するため、取消後においても本人は登記なくして第三者に対抗できるという考え方でしょうか??
ご教授お願いします。
実務家弁護士の法解釈から引用
[ 強迫を理由に取り消した場合はどうか。この場合は第三者保護規定はない。したがって,少なくとも取消前の第三者が救済されることは基本的にはない。では,取消後の第三者はどうか。この場合は,学説上は取消後の第三者の議論と同様のようであり,学説のほとんどは民法94条2項を類推適用するのであろうか。
しかし,本当に民法94条2項を類推適用する土壌が存在するだろうか。
強迫を受けた表意者とすれば,取消の意思表示もこわごわ行っている場合もあり得るだろうし,取消の意思表示をした後に,抹消登記の手続を行わせないように再び脅しを受ける場合もあり得ると思う。そのような場合に,取消の意思表示後に,速やかに抹消登記手続を取ることなど期待できるだろうか。取消の意思表示をしたものの,やはり恐ろしくて,しばらくの間それ以上の手続を控えてしまうことも,十分にあり得ると思われるのである。そうだとすると,強迫取消後の第三者に対して,民法94条2項が類推適用されることにより表意者が救われなくなる可能性が高くなるというのは,表意者に酷に過ぎないかと思われるのである。学者の中には,取消の意思表示をした以上,その後登記を放置するのはもはや保護に値しないという説もあるようである。しかし,これもあまりにも観念論に過ぎる。しかも,この場面で表意者が保護に値するか否か(あるいは落ち度があるか否か)は,理論の問題ではなく事実の問題である。したがって,強迫取消後の第三者に対する関係でも,基本的には取消前の第三者と同様に表意者が保護されてしかるべきだと思うのである。
このことは,民法96条に,強迫の場合には第三者保護規定をおいていないという法意そのものなのである。
以上のように,詐欺取消・強迫取消の場合は,取消後の第三者の場合でも民法96条の中だけで処理すれば足りるように思われ,それが素直な実務感覚ではないだろうか。初学者は取消後の第三者の保護につき,民法96条とは別の条文で処理することに対する意外感をもつのが普通だと思うが,その意外感こそが,実は大切なのである。 ]
引用終了
頭の凝り固まった裁判官が取らないような理論です。
噂では、裁判官に任用されるような人は、アルバイトさえしたことがないとか。
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senpai 2014-06-17 18:36:22
senpaiさん 回答ありがとうございます。
やはり表意者の保護を重視する考え方なんですね。個人的には、この実務家弁護士の解釈には納得ですね~!
aketomo 2014-06-18 06:59:38