司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/供託法/執行供託/権利供託と義務供託の見極め

syouhouiya 2014-07-13 11:30:00

いつもありがとうございます。
もしかしたら基本的な事柄なのかもしれないのですが、腑に落ちない論点があります。
問題で

『金銭債権について仮差押の執行が競合した場合には、第三債務者は、その金銭債権の全額に相当する金銭を供託しなければならない。』

解答:× 権利供託である。


しかし別問題では
『金銭債権について、差押が競合した場合、第三債務者はその債権の全額に相当する金銭を供託しなければならない。』

解答:○ 義務供託である。


元となる債権に対して執行が重なったら権利供託、執行と執行が重なったら義務供託と理解しているのですが違うのでしょうか。差押か仮差押かで権利か義務が変わるようなことってないですよね…?

どうして後者の問題は執行が重なっていないのに義務供託になるのでしょうか。
もしかして<執行が競合>というのと<差押が競合>という文言に差があるということなのでしょうか。少々混乱しています。よろしくお願いいたします。


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法務省供託Q&Aより

「「「第三債務者の供託
裁判所から差押命令が送達されてきた場合にする供託について,次の2つの例に基づき,説明します。
(1) 1つの差押命令の送達を受けた場合
  Xが甲に対して100万円の金銭債権を,甲が乙に対して100万円の金銭債権をそれぞれ有している場合を例として考えてみます。
  Xが甲に対する債権について,債務名義(判決や公正証書等)を有している場合,債権者Xは,甲の乙に対する債権を差し押さえることができます。裁判所の差押命令が第三債務者乙に送達されると,第三債務者乙は甲に弁済することが禁止されます。このような場合には,民事執行法第156条第1項により,第三債務者乙は,差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭(この場合には100万円)を供託することができます。供託をするかしないかは,乙の判断によります。乙が供託しないでXの差押命令が送達された日から1週間が経過したときは,Xは差し押さえた債権を乙から取り立てることができるようになります(民事執行法第155条第1項)。ただし,弁済期が到来していることが前提となります。
  このように,裁判所からの差押命令の送達を受けた第三債務者乙は,100万円の債務の履行期が到来したときは,100万円全額をその債務の履行地の供託所に供託するか,又は債権者Xの取立てに応じて100万円を支払うか,いずれでも差し支えないということになります。
(2) 2つ以上の差押命令の送達を受けて,差押えが競合した場合
  甲が乙に対して有する100万円の金銭債権について,甲の債権者であるXから,まず60万円の差押えを受けると,残りは40万円となりますが,この40万円を超えて新たな差押えがされることを「差押えの競合」といいます。例えば,Xからの差押え後,更に甲の別の債権者であるYから50万円の差押えがされた場合,Xの60万円の差押えの効力も,Yの50万円の差押えの効力も,いずれも甲の債権100万円の全てに及ぶものとされています。
  このように,差押えが競合した場合には,第三債務者乙は,必ず金銭債権の全額に相当する金額を供託しなければなりません。
  なお,Yの差押命令が送達される前であれば,競合という問題は生じませんから,(1)と同じように考えることができます。すなわち,Xが乙に対して債権差押命令に基づいて60万円を取り立てることは可能であり(民事執行法第155条第1項),また,取立ての前であれば,乙は100万円を供託することもできます(同法第156条第1項)。
  (1),(2)の場合において,供託をしたときは,第三債務者乙は,その事情を執行裁判所(差押命令を発した裁判所)に届けなければなりませんので,御注意ください。」」」




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senpai 2014-07-13 13:36:51

回答ありがとうございます。
理解力不足ですいません…。これはつまり『差押の競合』という文言から後者の問題は差押ふたつが競合していると捉えて義務供託と判断ということを言われているのでしょうか。

であるとすると前者の問題も差押が二つ競合しているとも読み取れてしまって義務供託になるのではないかと感じてしまいます。前者後者でどのような違いがあるのでしょうか。少々混乱しています…。

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syouhouiya  2014-07-13 16:11:19

仮差押えというものは、これから裁判をするということなので、仮差押えをした人が「勝てる」かどうかはわかりません。まだ、未定なのに、「義務」を課すことはできません。

裁判所「あなたの会社の社員の給料が仮差押えされました。社員に支払い義務があるかはまだわかりませんが、とりあえず、法務局に供託しなさい」

会社「これから裁判するのだから、とりあえず社員への支払いを止めるだけでいいのではないですか?」

裁判所「ええ、まあそうですが」

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senpai  2014-07-13 16:30:55

仮差押ということが原因だったのですね。理解できました。
回答ありがとうございました。

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syouhouiya  2014-07-14 12:27:00

差押えと仮差押えが競合した場合には義務供託になるので注意が必要です。

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iichan 2014-07-14 15:45:00

アドバイス感謝です。
ありがとうございました。

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syouhouiya  2014-07-14 18:20:25

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