司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/民執/不服申し立て/不動産担保権の実行の開始決定

syouhouiya 2014-07-21 17:47:42

いつもありがとうございます。
不動産担保権の実行の開始決定に対して執行抗告を提起することができないと参考書であったのですが、どういったものであれば可能なのでしょうか。即時抗告でしょうか。もしかしたら基本的なことかもしれないのですが少々混同しています。よろしくお願いします。

 

担保権の実行の開始決定というのは、担保不動産競売の開始決定ということですよね。
担保権を持たない債権者が申し立てる強制競売と、担保権者が申し立てる担保不動産競売を比較しながら説明します。
強制競売の場合、強制競売の却下決定に対しては執行抗告を申し立てることができますが、強制競売の開始決定に対しては執行抗告を申し立てることができませんよね。
民事執行法188条によって、強制競売の条文が担保不動産競売に、強制管理の条文が担保不動産収益執行に、多く準用されています。
そこで、強制競売に対応する担保不動産競売では、強制競売と同じように
担保不動産競売の開始決定→執行抗告ができる
担保不動産競売の却下決定→執行抗告ができない
ということです。
上記の通り、強制競売の開始決定、担保不動産競売の開始決定には執行抗告ができませんが、執行異議を申し立てることはできます。
執行抗告・執行異議はどちらも手続上の理由による不服申し立て手段ですが、執行抗告は執行裁判所の処分の中の特に重要なものに対してのみ認められています。
執行異議は、
⚫︎執行裁判所の処分の中でそれほど重要でないもの
⚫︎執行官の処分
に対する不服申し立て手段です。
手続上の理由による不服申し立ての場合、執行抗告が認められているもの以外は全て執行異議と考えると簡単です。
なお、ここでは関係のないことですが、担保権の実行の場合には、手続上の理由だけでなく、担保権の不存在・消滅などの実体上の理由による不服申し立てにも執行抗告・執行異議が使われることにも注意する必要があります。
長くなりましたが、担保不動産競売の開始決定には、執行抗告はできず、執行異議ができる。ということです。

参考になった:1

g7tih 2014-07-21 20:13:16

返信遅れてしまってすいませんでした。
丁寧な説明感謝します。完ぺきに理解できました。
回答ありがとうございました。

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syouhouiya  2014-07-23 11:04:25

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