司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/他人物売買での売主の善意と悪意

komachi 2014-09-02 16:22:58

他人物売買について
債権各論での担保責任は、買主が善意・悪意の区分により信頼利益の損害賠償請求ができるかどうかの違いであると説明されております。
他方、売主が善意・悪意についての記載について触れた本はありませんが、担保責任が無過失責任というのなら売主は善意に限るということで当たり前だから言及されていないのでしょうか。
また売主が悪意の場合は債権総論での債務不履行責任を問うということになるのでしょうか。
頭の中がよく整理できませんので誰か教えてください。



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民562で処理します。

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senpai 2014-09-02 17:22:52

senpaiさんのおっしゃる通り562条で処理します。ただし、この規定は他人物売買における売主の解除権を規定したものであり、担保責任(買主からの解除・損害賠償請求)の規定ではありません。

売主の担保責任を追及するに当たっては専ら買主の善悪によって左右されます。

また、他人物売買も債権的には有効とされており、売主はその所有権を取得して買主に移転する債務が生じその債務が不履行となった場合、債務不履行に基づく損害賠償請求できる要件に合致していれば(例えば債務者に帰責性有とか…)請求できます。

ですから、売主が他人物売買につき悪意であっても、買主に移転する債務の不履行が不可抗力に基づく場合であれば買主は債務不履行に基づく損害賠償を請求することはできません。

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bolza 2014-09-03 21:27:52

bolza様
kochanと申します。
komachi様には恐縮しますが、この場を借りてbolza様に質問があります。
貴殿のいうところの他人物売買につき悪意の売主であるときにも、売主の移転義務が不可抗力を事由として履行できない時には買主は債務不履行を原因とした損害賠償請求権を行使できないとの記述ですが、
実際として、他人物売買である売主であるため担保責任を負うことなり、上記後述の危険負担に関する債権者主義の適用はないとは思いますが・・・仮にこの様な場合には買主が代金未払いの時には売主からの請求を拒否をすることができないことになりますが、このような解釈でよろしいでしょうか。

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kochan  2014-09-05 16:19:24

質問に今気が付きました。遅れてすいません。

534条によると、双務契約の目的物が不可抗力により滅失または損失…とあり、今回の事例においては所有権移転義務が不可抗力により履行不能となっただけで、目的物自体は滅失等をしたわけではないので危険負担の規定を考慮することは不要と考えます。

次にその目的物が滅失等して所有権移転義務を果たせなくなった場合ですが、この場合でもおっしゃるとおり売主は担保責任を甘受する立場にあり、買主が契約解除を主張すればその遡及効により売主の売買代金請求権は消滅すると思います。

問題は善意の買主が売主の担保責任として損害賠償を請求してきた時ですが、悪意の売主は横領の罪に問われる可能性があることを勘案してみると買主側有利と判断しますが、正直よくわかりません。

以上のことはあくまで私見であり確認はしていませんが、判例があればそちらを参考にしていた頂いたがよろしいかと思います。うまく答えられなくてすいません。

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bolza  2014-09-08 22:57:25

bolza様
kochanですが・・・
危険負担の件につき回答ありがとうございました。
また、他人物売買の売主が悪意売主であり、その悪意の意思が横領により構成されときには、善意の買主であっても、当該横領の被害者(所有者)の目的物の返還請求の行使による買主への移転義務が履行不能になったとき、当該移転義務は不可抗力により履行不能に陥ったとの解釈で当該買主は損害賠償の請求ができない、ということを前提とした場合であっても、賠償請求の給付訴訟が提起されれば、裁判所の審判は原告(買主)に有利である判決が得られる可能性があるという趣旨の記述は当方も同意します。なぜなら、領得罪である横領の罪につき、判例は横領行為を他人の物の占有者が権限も無いのに所有者でなければできない処分をする意思が外部にあらわれることと解している(最判昭28・12・25)と判示していることから、悪意の売主自身の横領行為が移転できない原因であることに疑う余地はなく、その行為の帰結とした所有者の返還行為自体が公権力の行使であっても、それをもつて不可抗力とは言えないと解することができるからです。
以上から、貴殿の当該判決の推定には理由が存するので同意いたします。
どうも、失礼しました。





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kochan  2014-09-11 01:38:30

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