nekozamurai 2014-09-15 21:04:47
たびたびの質問で恐縮です
講義で「相続欠格になった者は相続権を失う。そして例えば3号や4号で欠格となった者が、その後
まじめになったからといって、被相続人が宥恕してその者に遺贈する旨の遺言をしたとしても、その
者はその遺贈を受けることはできない」と教えていただきました。では3号や4号で欠格になった者と被相続人が死因贈与契約をしていた場合も、それは無効であると考えてよろしいでしょうか?
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nekozamurai様
kochanです。
私見ですが・・・
死因贈与契約の受贈者が推定相続人である場合において、当該3号4号に合致すれば相続人である以上は
当然に適用するのが妥当と解することができます。そして、贈与契約であっても口頭の場合はいつでも
撤回ができる、及び文章が存するときにも死因贈与契約は遺贈の規定を原則適用させるのであるから、
その撤回は可能である。以上の事由により相続欠格の条文を適用しても問題がないのではと思います。
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kochan 2014-09-16 00:19:02
返信ありがとうございます。
死因贈与契約は一部を除いて、遺贈の規定が準用される旨の規定があったのを思い出しました。
貴重な推論をご提示いただきありがとうございます。
nekozamurai 2014-09-16 22:16:42
nekozamurai様
kochanです。
当方の私見について、説明が足りないところがあり大変失礼しました。
まず、ご承知のとおり死因贈与契約においては契約である以上、双方の意思の合致により締結は可能です。ただし、無効となる事由がないので、撤回(意思の合致以後の事情による取り消し)又は取消し(意思の合致当時に瑕疵があり最初から有効に作用しない)との解釈があります。そして、遺贈の規定の適用(準用というのにはあまりにも、読み替えが合わない)については意思能力関連の項目、要式の有様、撤回の制限においては遺贈規定の適用除外というのが一般的な理解ですが、最判昭57.4.30判示において契約上の利害関係間の身分関係・・・・・取り消すことがやむ得ないと認められる特段の事情がない限り民法1022条、1023条の各規定は準用されないと示すのであるから、特段の事情が認められれば当該規定は準用されることは当然と解することができ、その特段の事情が相続欠格の条文であることの不足は皆無であると思えるところ、上記の私見となったわけです。
大変失礼しました・・・
kochan 2014-09-17 03:10:13
欠格の宥恕を認めた裁判例
広島家呉支審平成22年10月5日(家月63巻5号62頁)
兄が弟を殺害し,懲役10年の刑に処せられた。
その後,その兄弟の父が死亡した。
本来であれば,殺人犯の兄(被相続人の子)は,
父の相続につき同順位者である弟(被相続人の子)を故意に死亡させたので,
民法891条1号により,相続人の欠格事由に該当します。
しかし,被相続人である父の相続につき,
被相続人である父が欠格の宥恕をしたとして,
相続人としての資格が認められました。
被相続人である父が,
刑事裁判において,寛大な刑が下されることを求め,かつ,何回か刑務所を訪ね,出所後の生活を案じたことなどが,宥恕として評価されたようです。
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senpai 2014-09-16 13:30:19
返信ありがとうございます
必ずしも、判決が条文に拘束されないことがあるのだなと思い、勉強になりました。
欠格と死因贈与については事件の内容によって、どういう判決がでるかわからないと理解しました。
nekozamurai 2014-09-16 22:25:56