司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/④会社法/会社分割の対価について

takugin97 2014-12-31 13:55:31

皆様、よろしくお願いします。

会社分割の対価の考え方でよく解らない点があります。
私のテキストには次のような説明があります。

1 公開会社である吸収分割会社が分割に際して譲渡制限付株式の譲渡を受ける際、株主総会の特殊決議は不要である。
2 その理由は会社分割においては、分割の対価を受けるのは吸収分割会社そのものであり、吸収分割会社の株主ではないからである。

 ここまでは理解できます。これが債権者保護手続きになると、説明に一貫性がなくなるような気がするのです。

3 人的分割(対価を株主に渡す)と物的分割(対価を株主に渡さない)のどちらかを採用するかにより、債権者保護手続きが変わってくる。前者は債権者保護手続きが必要であり、後者は不要である。

2では、人的分割のことを考慮しない説明であるのに対し、3では、人的分割も物的分割も考慮に入れています。これは考え方として正しいのでしょうか。それとも、私が何か誤解をしているのでしょうか。

ご指導をお待ちしております。

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takugin97様 

貴殿記載の3から「人的分割と物的分割のどちらかを採用するかにより・・・・」のどちらを採用するとは債権者異議手続きを指すのではなく、会社分割による対価を受ける場合の受容形態を指すのであり、人的分割により分割会社の会社財産が減少することは会社債権者にとって不利益を被ることとして債務不履行につながることであり、その帰結的に債権者異議手続きの制度を実施することになると解すべきであるのではないでしょうか。他方、物的分割をするときには分割会社の会社財産に原則減少は生じないのであり、会社債権者には不利益を被ることはないので債権者異議手続きは不要とされてます、ただし、会社債権者の債権を請求する宛名が変更される場合はあるので注意が必要となりますが・・・。
上記のことは新設分割の場合にも適用されることを付しておきます。

2014:12/31 23:40 追伸
改正法による場合にも原則としては細部の変更はあるものの主体の制度としては変わりがありませんのあしからず了承ください。

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kochan 2014-12-31 23:42:56

kochan 様

 年の瀬も迫る中でのご回答、本当に有難うございます。

 確かに、「受容形態」を指すのですね。「物的」「人的」のそれぞれに関して理解し易い説明構成、感謝申し上げます。片方だけを考えるのではなく、双方を考慮することが必要なのですね。

 ご指導感謝申し上げます。
 2015年もよろしくお願いいたします。

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takugin97  2015-01-04 17:55:08

まず、誤解している人がいるかもしれないので、会社分割について。

商法上の物的分割
商法上の人的分割

現行法(会社法)では、商法上の物的分割が原則です。
例外として、商法上の人的分割類似行為ができます。
A 会社分割の時に、発行してある全部取得条項株式を取得して、承継会社の株式を分割会社の株主に与える。
B 会社分割の時に、承継会社から受け取ったものを剰余金として分割会社の株主に配当として与える。

Aの場合には、全部取得条項株式発行の時、株主は譲渡制限株式が交付されると既に分かっています。

Bの場合には、会社が余分に配当してしまう恐れがあるので、債権者保護手続きを要求しています。

参考になった:2

senpai 2015-01-01 09:46:09

senpai 様

 新年早々からご回答いただき、有難うございました。
 Aのとおり、「株主は譲渡制限株式が交付されると既に分かっています」という点を見落としていたようです。
 ご指導有難うございました。よく理解できました。
 今年もよろしくお願いいたします。

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takugin97  2015-01-04 17:45:27

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