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/免責の登記について

g7tih 2015-07-30 18:46:59

事業譲渡を受けた譲受会社が譲渡会社の商号を続用し、免責の登記を申請する場合。
免責の登記に添付する譲渡人の承諾書には譲渡会社の登記所届出印を押印することが必要で、
印鑑が異なると却下するとのことですが、譲渡会社の印鑑証明書は添付しません。
譲受会社と譲渡会社の管轄が異なる場合、登記官はどのように印鑑を確認しているのでしょうか。

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「譲渡会社の印鑑証明書は添付しません。」
↑ ここが違います。

譲受会社と譲渡会社の管轄が異なる場合、
譲渡会社の印鑑証明書を添付させ,
登記官は,これにより印鑑を確認しています。

参考になった:4

kilroy2014 2015-07-30 19:59:43

ご回答ありがとうございます。
管轄が異なる場合は印鑑証明書を添付するのですね。
条文や先例などの根拠をご存知でしたらご教示ください。

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g7tih  2015-07-30 22:20:08

レスが遅くなりました。すいません。

条文は,商業登記法24条7号後段,
先例は,商業登記等事務取扱手続準則46条1項,
ということになります。ただし,
いずれも,直接的・明示的には,
承諾書に印鑑証明書を添付すべきことを言ってませんね。

しかし,他管轄の登記所に提出された印鑑との照合をするには,
それ以外に方法がないので(商業登記法87条3項前段等参照),
管轄を異にする場合の印鑑証明書の添付は必須と考えます。

印鑑証明書の添付につき明確に触れている文献を挙げるとしたら,
司法書士の書いたものであれば,
①「2010年版会社登記の全実務」(清文社)
の該当箇所,
登記官の書いたものでは,
②「登記官の目/事業譲渡の際の免責の登記について」(登記情報595号89ページ)
があります。

ちなみに,上記雑誌②は容易に参看できないかもしれませんが,
書籍①はまだ版元・アマゾン等に在庫があるようです。ただし,
「2010年版」とあることからも分かるように
近時の改正には未対応です。


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Kilroy2014  2015-08-04 11:58:54

g7tihさん、Kilroy2014さん こんばんは。

Kilroy2014さん、とても丁寧に文献をお調べ頂きありがとうございました。

「根拠条文はないですね」とだけ書いておこうと開いてみると、Kilroy2014さんの詳細な回答にビックリです(笑)。

ここは法の不備といわざるを得ないところだと思います。
しかし、Kilroy2014さんの記載されているとおり、理論的には管轄が異なる以上、譲渡会社の代表者の印鑑証明書を添付すべきとの結論になると私も考えます。

試験的にどうかと問われると、ここまでの出題の可能性は極めて低いといえます。
ただ、この前提となる部分となる部分が大切です。
そもそも、なぜこのような論点が生じてくるのかがわからないという方も多いと思いますので、少し説明を入れておきます。

個人商人であれば、甲から乙に商号(A商店)及び営業が譲渡された場合は、商号をA商店とする登記記録の中で「商号使用者の氏名及び住所」が甲から乙に変更され、その登記記録に「譲受人乙は譲渡人甲の債務について責めに任じない」と免責の登記が実行されます。ゆえに、譲渡人が印鑑提出をしている管轄と別管轄で審査がなされるという問題は生じません。

一方、会社であれば、譲渡人ではなく、当該譲受人たる会社の登記記録に「当会社は年月日商号の譲渡を受けたが、譲渡会社である甲株式会社の債務については責めに任じない。」という免責の登記が実行されることになるため(規53)、今回の論点が生じてくる、というわけです。

この個人商人と会社の登記の実行の違いが押さえられていれば、試験対策としては十分だと考えます。

講師 小泉嘉孝

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koizumi  2015-08-05 18:40:39

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