司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/一部請求について

kujirakun 2015-08-11 16:56:41

以下の請求にて一部請求したいのですが、請求原因3の違いは法的にどのような意味がありますか。
後日、60万から100万全額に請求の拡張をしたいのですが可能でしょうか。
よろしくお願いします。

訴訟物 甲の乙に対する消費貸借契約に基づく貸金返還請求権

請求原因 1 甲は乙に対し、金100万円を弁済期平成27年8月15日の約定で貸し渡したこと。
     2 弁済期が到来したこと

     (単に訴訟物の範囲を限定する場合)
     3 甲は乙に対して、請求原因1の貸金100万円のうち、60万円の支払いを求めること

     (乙から40万円の弁済を受けたためとする場合)
     3 甲は乙に対して、請求原因1の貸金100万円のうち、乙から40万円の弁済を受けたので
      60万円の支払いを求めること

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3.弁済により時効が停止したこと。弁済とされた手形が不渡りとなったこと。

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xxxxxxx1234567 2015-08-16 13:41:50

ご回答有難うございます。

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kujirakun  2015-08-18 15:56:06

kujirakunさんへ

問1 「請求原因3の違いは法的にどのような意味がありますか。」
問2 「後日、60万から100万全額に請求の拡張をしたいのですが可能でしょうか。」

問1について

厳密には,請求原因は1及び2で尽きています。
どちらの3も,請求原因とはいえません(よって書き)。

さらに,後の方の3に出ている乙からの一部弁済の事実は,
請求を特定し,又は理由付けるために必要な主張ではないので,
とりあえず無意味です。
(原告に主張立証責任のない事実ないし単なる事情なので,
請求原因として書くと,試験的には減点かも。)

一部弁済の事実は,普通,被告の抗弁に回るので,
原告がこれを言った場合,先行自白になり得ます。

ただし,本事案のような場合,40万円の一部弁済は,
(100万円中の)60万円の請求という訴訟物の外側にあるので,
通常,抗弁の先行自白にさえならない旨をいっている有名な文献があります
(「紛争類型別の要件事実」2ページ)。

もっとも,被告が,金40万円の弁済をした,その後残額60万円を弁済した,
などと主張する場合は,抗弁の一部の先行自白になるといってかまわないと思います。
(「要件事実の理解」4ページ)

もうひとつ,被告が消滅時効の抗弁を出した場合には,
時効完成後の一部弁済に係る事実が
「債務の承認」に当たる,などとして,
原告が主張立証責任を負う再抗弁になることもあるでしょう。

問2について

特に根拠はありませんが,
民事訴訟法143条の訴えの変更の要件を満たせば,いずれの場合も請求の拡張は可能と考えます。
でも,後の3の場合であって,原告の一部弁済の陳述を被告が援用している場合,
まさしく一部弁済の抗弁の先行自白になっているでしょうから,
追加する印紙代が無駄に感じます。

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Kilroy2014 2015-08-18 01:09:46

先生、御多忙中、返信ありがとうございます。

甲が乙からの40万円の弁済は誤解であったとして、請求を100万全額に拡張したとあれば、
先生ご記載の「もっとも,被告が,金40万円の弁済をした,その後残額60万円を弁済した,
などと主張する場合は,抗弁の一部の先行自白になるといってかまわないと思います。
(「要件事実の理解」4ページ)もうひとつ,被告が消滅時効の抗弁を出した場合には,
時効完成後の一部弁済に係る事実が
「債務の承認」に当たる,などとして,原告が主張立証責任を負う再抗弁になることもあるでしょう」これらの主張の前に事情を撤回したと考えて良いのでしょうか。

先生、ありがとうございます。とても勉強になりました。

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kujirakun  2015-08-18 17:59:15

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