司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/勉強法/3回目の合格の為に・・・・・・。

sunaarasi 2015-08-15 14:04:07

前回、此方の質問広場に投稿した者です。2回の試験に不合格し、3回目の試験つまり今年受けようと思いましたが、回避してしまいました。回避することはいけない事だと感じてしまったので、来年の合格に向けて勉強を再び始める為に質問させて頂く事にしました。先ず、択一に関しての質問ですが、自分は答練又は本試験に於いても天秤の解答ばかりでした。この様な天秤の解答を無くす為の勉強法はどの様なものがあるのか教えて頂きたいと思います。
そして、記述式に関してなんですが、雛型を暗記し問題を解いていく時、必ず二~三個ミスを起こしてしまいます。
この様なミスを防ぐ勉強法について教えて頂きたいと思います。あと、過去問について質問があります。過去問の答えを憶えていても何の得にもならない事は判っています。では、過去問を解く上でどこに重きをおけば良いのか教えて頂きたいと思います。
御多忙だとは思いますが、ご回答頂けたら幸いです。
では、宜しくお願いします。

 

sunaarasiさん、こんばんは。

「天秤の解答」というのは、おそらく最後に残った2つの選択肢のうち、いずれが正解であるか、自信を持って解答ができないということだと思われますが、
その解決法は、なぜそうなっているのかという原因を考えるところから始めましょう。
1つ目のパターンは、いずれの選択肢も、自分が今までに見たことがないという場合です。
2つ目のパターンは、その2つの選択肢(又はその一方)はどこかで見たことがあるけれども、結論が思い出せないという場合です。

前者であれば、まだ勉強をしている範囲が狭すぎるということです。
たとえば、インプット講義は一通り聴いたけれど、過去問をマスターしたレベルで本試験を迎えたという場合です。
これでは、いくら過去問を極めようが、点数はほとんどアップしません。
逆に過去問以外の部分を問題集やテキストで網羅していくことで、迷っているものの1つを確実に解答できるようになります。
もちろん、組合せ問題である限り、それで正解は導き出せます。
テキストまで完璧に網羅しても、それでも答えが出せないという問題であれば、
ほとんどの受験生が正解できていないといえます。
ゆえに、その問題は合否を分ける問題とはなっておらず、差がついているのは、それ以外の問題です。

一方、後者であれば、勉強の幅は十分であっても、その1つ1つの知識に対する記憶が不十分というということになります。
その対処法として、最も効果が高く、点数に直結するのは、やはりアウトプットを行うことです。
過去問を解く上でどこに重きをおけば良いのかという質問にも繋がってきますが、①その問題の論点を押さえ、②正誤を確認し、③理由(制度趣旨)を理解し、その全体で記憶を構成するということです。
どの科目でも、論点は存在し、それを理解せずに答えだけを覚えるという勉強は存在しません。

たとえば、平成27年度本試験午前第4問イは、「養子である未成年者が実親の同意を得て法律行為をしたときは、その未成年者の養親は、その法律行為を取り消すことができない。」という問題でした。

ここでは、
①未成年者の財産的法律行為は、法定代理人の同意を得ずになされた場合は、取消しの対象になる。
②その取消しは、未成年者本人と法定代理人いずれからでも可能である。
③未成年者が養子縁組を行った場合、養親のみが親権者となり、実親は親権を失う。つまり、法定代理人は、養親のみである。

よって、
本肢では、養子である未成年者が実親の同意を得て法律行為をしても、法定代理人の同意を得て法律行為をしたことにはならず、その法律行為の取消しは養親から行うことが可能である。

というのが、この問題の論点であり、結論(正誤)ということになります。
そして、親権の移行は、民809で「養子は縁組の日から、養親の嫡出子たる身分を取得する」と規定している効果から生じるものであり、もちろん、その法律行為の取消しを認めるのは、不十分な判断能力しか有していない未成年者を保護するためというのが、理由に相当するものです。

これらがきちんと頭に浮かんでくるか、ということを1つ1つテストしながら問題を解く、できないものはできるようになるまで繰り返すというのが、過去問を含むアウトプットのやり方です。

逆にこのような論点を理解しないまま、正誤だけを覚えるというのは、何の役にも立たない知識をただ詰め込もうとしているだけです。
それはもう法律の勉強とは呼べず、また、奇跡的に合格できても、何一つ問題解決ができない法律家ということになってしまいます。

記述式に関して、雛形を暗記して問題を解いたら、必ずミスが生じるということですが、むしろ当然だといえます。

それは、本試験の問題が単に「抵当権設定登記申請書の雛形を記載せよ。」ではないからです。
つまり、単純に雛形を暗記するという勉強は、本試験で求められている能力に対応していない、だから点数が取れないということです。

具体的な事例問題の中で、あらゆる実体上・手続上の法律知識を使いこなし、
①様々な角度から隠された論点を見つけ出し、
②これを各申請書に振り分け、
③正確な文言で答案を仕上げていく
のが記述式問題です。

雛形を覚えるというのは、③の要素のみです。
①と②をいかに正確にスピーディーに行うかという訓練がなければ、絶対に解けるようにはなりません。

これこそアウトプットによる練習が不可欠だといえます。
そして、その中で、毎回、間違った論点が出てきたら、それを1つ1つ覚えていくことです。
ゆえに、最初はどんどん間違えば良いわけで、その分だけ「あなたが覚えるべき論点は、これです。」とネタが提供されていることになります。

そういう意味では、択一の勉強方法と何ら変わるところはありません。

自分が何を理解し、覚えるべきことであるのかを問題を解く-アウトプットの中で発見し、それを完全にできるようになるまで、ひたすら繰り返す。
そして、最後はテキストの各論点を網羅的にチェックする。

これ以上は必要なく、かつ、これで必ず合格点に到達します。

頑張ってください。
また、9月にも相談会を行いますので、もしご都合がよければ来て下さい。
スカイプやメールでの相談も受け付けています。

講師 小泉嘉孝

参考になった:27

koizumi 2015-08-16 18:48:18

小泉先生、参考になりました。有難う御座いました。早速、回答した点等を参考にしながら今後の勉強に生かしたいと思います。

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sunaarasi  2015-08-17 16:02:15

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