司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/会社法 簡易組織再編

tocchi 2015-09-06 14:14:01

簡易組織再編では、消滅会社では差止め請求はみとめられないのでしょうか?

テキストを読むと上記のように思いますが、個人的には認められるように思います。

宜しくお願い致します。

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tocchi さん、こんばんは。

そうですね、「簡易組織再編」では、株主からの差止請求は認められていません。

これは、簡易組織再編では、株主に与える影響が軽微であるためです。

根拠条文は、会社法784の2ただし書、796の2ただし書、805の2ただし書になります。

講師 小泉嘉孝

参考になった:7

koizumi 2015-09-08 22:51:27

小泉先生

返信遅くなって申し訳ありません。

しばらくどなたからも質問への投稿がありませんでしたので、半分諦めていました。

ありがとうございます。

やはり簡易組織再編では、差止請求は認められないのですね。

ネットで調べてもわからなかったので、教えて頂いてスッキリしました。

小泉先生に直接教えて頂けて、とても励みになります。

この質問欄を見た他の受験生の方にとっても、励みになっていると思います。

これからも宜しくお願い致します。

tocchi







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tocchi  2015-09-12 12:27:22

そもそも消滅会社においては簡易組織再編には該当しません。
相手に渡す総資産額の1/5以下どころか全部渡して消滅しちゃいますから。
ですから消滅会社においては株主総会決議は省略できず
簡易組織再編では認められてない反対株主の株式買い取りが認められています。

おそらくtocchiさんは改正会社法会社法784の2、796の2、805の2の組織再編における差し止め請求が
混乱されてると思われます。

簡易組織再編においては小泉嘉孝校長のおっしゃるとおり、差し止め請求は
会社法784の2ただし書、796の2ただし書、805の2ただし書にて除外されています。
ただし注意が必要なのは「差し止めもどき」が用意されているということです。

ここで前提として「差し止め」とは何かを理解する必要があります。ある行為をやっちゃう前(事前)に
「止めろつってんだ!コラ~!」といえる権利です。
 裁判では360条のように訴えの利益が認められ裁判ができます。また裁判外では「差し止め請求」権を
理由に直接差し止めが認められます。ではこの後は?ってことですが判決にしろ株主総会でよくよくみんなで
話し合ってくれという流れになるでしょう。ちなみにこれを無視してゴリゴリに話進めて行っちゃった取締役は
過料以上のきついお叱りをうけ、やっちまった行為は830条で無効扱いとなります。

 んで先述の「差し止めもどき」ですが、先に述べた「差し止め」の趣旨と同様、事前に簡易な手続きをさせない
制度として796条Ⅲが用意されています。
 確かに簡易組織再編はそれ以外の組織再編よりは保護にかけるとも言えますが、株主に与える影響が軽微で
あるため、あんまり株主にゴチャゴチャいわせてたら経営の迅速性が失われてかえって株主の不利益に
なりかねないという事が根底にあります。

長々と失礼いたしました。

参考になった:1

Kurea321 2015-09-09 11:44:35

kurea321様

返信ありがとうございました。

勉強不足で「差止めもどき」はあまりよく理解出来ていないのですが、条文を読んでみます。

色々あって奥深いですね。

ありがとうございました。




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tocchi  2015-09-12 12:38:40

tocchi さん、こんばんは。

「簡易組織再編」における差止請求の説明が言葉足らずでしたので、補足させて頂きます。

まず、「簡易組織再編」は、「株主への影響が軽微であるため、株主総会の承認決議を要しない場合」と一般的に説明されていますが、ここでもそのように定義しておきます。

そうすると、一定の要件を満たした場合に「簡易組織再編」が認められる会社は、下記のとおりです。
① 吸収合併における存続会社
② 株式交換における完全親会社となるべき会社
③ 吸収分割における分割会社
④ 吸収分割における承継会社
⑤ 新設分割における分割会社

そこで、上記各会社において、「簡易組織再編」となる場合においては、差止請求は認められません(会社法784の2ただし書、796の2ただし書、805の2ただし書)。
やはり、株主に対して与える影響が軽微であるためです。

ここまでは、以前説明したとおりなのですが、tocchiさんの質問文章の中に「消滅会社」とあり、当時、その質問の意図が掴めず、「(合併における)消滅会社」において、簡易組織再編というパターンはないはずで・・・と思い、簡易組織再編では、差止請求は認められませんと、さらっと結論だけ記載してしまいました。

ただ、この度、自分で講義をしている際に、tocchiさんは、吸収合併における存続会社が「簡易組織再編」の要件を満たしている場合に、消滅会社でも差止請求ができないのか?ということが知りたかったのではないかと、ふと気づきました。

結論からすると、上記のとおり、吸収合併における「消滅会社」においては、「簡易組織再編」となることはありませんので、原則どおり、差止請求の要件を満たす以上、消滅会社の株主から、消滅会社に対する差止請求は認められることになります。

これを踏まえ、まとめると下記のとおりです。

差止請求が認められる:○  差止請求が認められない:×

① 吸収合併における存続会社:○ 簡易組織再編となる場合:×
          消滅会社:○ ※簡易組織再編となる場合はない。

② 新設合併における消滅会社:○ ※簡易組織再編となる場合はない。

③ 株式交換における完全親会社となるべき会社:○ 簡易組織再編となる場合:×
          完全子会社となるべき会社:○ ※簡易組織再編となる場合はない。
④ 株式移転における完全子会社となるべき会社:○ ※簡易組織再編となる場合はない。

⑤ 吸収分割における分割会社:○ 簡易組織再編となる場合:×

⑥ 吸収分割における承継会社:○ 簡易組織再編となる場合:×

⑦ 新設分割における分割会社:○ 簡易組織再編となる場合:×

講師 小泉嘉孝

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koizumi 2015-10-22 18:04:54

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