司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/⑩供託/仮差押えの取下げがあった場合の払渡しを受ける方法

akiaki 2015-10-28 22:36:04

仮差押えの取下げがあった場合の払渡しを受ける方法

①仮差押え債権者Aが執行債務者Bの第三債務者Cに対する債権に対し仮差押えの執行をした。
②第三債務者が供託。
③その後に仮差押えの取下げがあった場合
執行債務者Bは仮差押えが取り下げられたことを証する書面を添付して、還付請求ができるとテキストに記載されていました。

では、第三債務者Cは供託原因消滅を原因として取り戻し請求できるのでしょうか?

「仮」差押えではなく、
差押えの取下げの場合は第三債務者は執行供託により免責の効果を有しているので、第三債務者は取り戻しができないと記憶しております。

では、
仮差押えの取下げの場合も、差押さえの取下げと同様に、取り戻しができないのでしょうか?
仮差押えによる供託は弁済供託の実質を有するので、取り戻しができるようにも思えるのですが…。

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こんにちは。極板サポーターです。

仮差押の取下げの場合も、第三債務者は原則として取り戻しができません。
すでに債務消滅による免責の効果を得ているため、取り戻しの利益がないからです。

一部仮差押により全額供託した後に取下げがあった場合の、
第三債務者が仮差押が及んでいない金額分の取り戻しができることと区別するところです。

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sup_t 2015-10-29 16:01:23

Aの債権額とCが供託した金額が同額の場合、Bが供託したとみなされます。保全法50

取り戻し請求権は、供託者Bにあります。

Cにはありません。

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senpai 2015-10-30 10:21:17

akiakiさん、こんにちは。

<ケース1>
BのCに対する債権(100万円)に対してAが仮差押(仮差押債権額は60万円)を行い、Cが60万円を供託した場合

当該60万円は、形式は「執行供託」であり、実質は「弁済供託」となります。
(執行の目的物を供託するため、形式上は「執行供託」の一類型ですが、この段階では配当はなされないため、機能面では「弁済供託」ということになります。)

<ケース2>
BのCに対する債権(100万円)に対してAが仮差押(仮差押債権額は60万円)を行い、Cが100万円を供託した場合

100万円のうち、仮差押債権額に相当する金額である60万円部分については、ケース1と同様です。
また、それを超える40万円部分については、いわば仮差押の執行とは無関係に第三債務者Cの免責の便宜として認められたにすぎない供託であるため、「純然たる弁済供託」ということになります。

そこで、この「純然たる弁済供託」に該当する40万円部分については、執行債務者Bが供託を受諾するまでは、第三債務者Cは、「供託不受諾」を原因として取戻請求することができます。
これは弁済供託に係る取戻請求であるため、仮差押の効力が取下げ等により失効しているか否かは問いません。
また、「仮差押」が「差押」となっても同様です。


一方、仮差押債権額に相当する金額である60万円部分及びケース1については、仮差押の効力が取下げ等により失効していても、第三債務者Cの取戻しは認められません。

機能面として弁済供託の性質を有し、弁済供託に準ずるもの(準弁済供託)といえども、やはり「純然たる弁済供託」とは異なるためです。

よって、第三債務者の取戻しの可否については、「差押」と「仮差押」で異なるところはありません。

極テキストの該当場所は、四一3(1)②(2)及び2(1)②(2)①②になります。

講師 小泉嘉孝

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koizumi 2015-10-30 13:14:53

小泉先生をはじめ他回答していただいた方、誠にありがとうございます。

仮差押えに基づく供託は「弁済供託の実質」があるというテキストの記載は知っていましたが、
「純然たる弁済供託」とは異なるとりあつかいになるのですね。

ややこしい所ですが、理解が進んだと思います。

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akiaki  2015-10-30 16:34:35

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