司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/④会社法/種類株主の全員の同意

infini 2015-12-07 14:20:24

A種類株式(取得請求権付種類株式)を発行している株式会社が、その対価としてB種類株式(取得条項付種類株式)を発行する場合、A種類株式の種類株主の全員の同意は必要ないのでしょうか?

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質問の意味が分からないので、確認します。

一般的に、

取得請求権 投資家(株主)の好きな時に権利行使できる=株主に有利

取得条項 会社都合でできるので、会社に有利

A株式の対価としてB株式を交付するというのは、どういう場面を想定しているのでしょうか?

そもそも、設定自体が違うのでしょうか?

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senpai 2015-12-08 09:18:48

言葉足らずでした。申し訳ございません。

(前提)
発行済株式
A株
B株(取得条項付種類株式)
C株(取得請求権付種類株式)
*BCともにA株を対価として発行されている

A株を譲渡制限付種類株式とする場合
 BCの種類株主総会の特殊決議は必要となる
A株を全部取得条項付種類株式とする場合
 BCの種類株主総会の特別決議が必要となる
(疑問点)
では、A株を取得条項付種類株式とする場合はどうなるのか。
又、A株を取得請求権付種類株式とする場合はどうなるのか。

先ず、取得請求権付種類株式は、株主に有利な種類株式なので、A株を取得請求権付種類株式とする場合、BCの株主の利益を考慮する必要がないことは理解できます。

しかし、A株を取得条項付種類株式とする場合、Bはもともと取得条項付種類株式なのでB株の株主の利益を考慮する必要がないのかもしれませんが、C株の株主は不利益になるのではないでしょうか。
何か根本的な誤解があるのでしょうか。

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infini  2015-12-08 12:07:22

旧法で言う転換株式です。

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xxxxxxx1234567 2015-12-08 14:53:21

infiniさん、こんばんは。

非常に難しいところですね。
当該事案とまったく同一のものを正面から解説しているものは見つからず、下記回答には、私の個人的見解も含まれていることを前提に参考にしてください。

まず、A株を取得条項付株式とする場合は、定款変更のための特別決議の他に以下の同意及び決議が必要であると考えます。
① A種類株主全員の同意(会社111Ⅰ)
② B種類株主総会特別決議(会社322Ⅰ①)
③ C種類株主総会特別決議(会社322Ⅰ①)

B種類・C種類株式を有する株主にとっても、自己の意思とは無関係に会社に一定事由が生じたことにより、株式を取得されるようになることは不利益となるためです。
B種類株式についても、今回の定款変更前は一定事由が生じた場合に、当該B種類株式が取得され、その対価として交付されるA種類株式には取得条項は付されていなかったことから、ここで一旦自己の意思とは無関係に株式を取得されるという不利益を回避できたはずが、その場面が失われるということは、やはり当該定款変更が不利益を及ぼすものと考えられます。

会社法上、種類株主総会の決議(会社111Ⅱ)及びの種類株主全員の同意(会社111Ⅰ)が要求されている場合には、会社322Ⅰ①の種類株主総会の特別決議は不要(322Ⅰ①かっこ書)と規定されていますが、立案担当者は、この場合においても、他の種類株主について、損害を及ぼすおそれがある場合には、会社322Ⅰ①の種類株主総会の特別決議を別途要するとの見解を示しており(「論点解説 新・会社法」相澤等 P57・P72参照)、また、「商業登記ハンドブック」もこれを要するとの見解をとっているものと解されます(「商業登記ハンドブック」第3版 松井 P254~256参照)。

つまり、会社322Ⅰ①かっこ書で「会社111ⅠⅡに規定するものを除く」とは、会社111ⅠⅡでの決議・同意の対象となっている当該種類株主について、会社322Ⅰ①の種類株主総会を重複させる必要はない旨を注意的に規定したにとどまり、それ以外の他の種類株主に損害を及ぼすおそれがある以上は、会社322Ⅰ①の種類株主総会の特別決議を別途要するものと考えます。

同様に、A株を取得請求権付株式とする場合は、定款変更のための特別決議の他に以下の決議が必要であると考えます。
① B種類株主総会特別決議(会社322Ⅰ①)
② C種類株主総会特別決議(会社322Ⅰ①)-取得の条件がA種類株式に付されるものに比べ劣後する場合

ある種類の株式にのみ取得請求権を付すことは、他の種類株式を有する株主に相対的に不利益を及ぼすものと一般的に考えられています。B種類株式については現時点で取得請求権付は付されておらず、C種類株式については、取得の条件がA種類株式に付されるものに比べ劣後する内容であれば、不利益要素があるといえます。
よって、すべての種類株式に同一条件の取得請求権を付すのであれば、種類株主総会の決議は不要となります。

極テキスト・商業登記法ⅠP115・P128・P133・P134を参照してください。

講師 小泉嘉孝

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koizumi 2015-12-09 23:22:18

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