司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/民法過去問/8年問4イ

nabezou 2016-02-09 19:26:28

Xは、Aから昭和50年1月にA所有の一筆の土地の一部を買い受け、引渡しを受けたが、未登記のまま放置していた。その後、Xは昭和55年ころ、買い受けた土地上に樹木を植えた。しかし、昭和58年2月になって、Aは、同土地の全部がいまだ自己名義に登記されているのを幸いに、Yに対して同土地の全部がいまだ自己名義に登記されているのを幸いに、Yに対して同土地の全部及びXの植えた樹木を自分のものであると偽って売却し、登記も済ませた。
この事例に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、見解の対立がある場合は判例に従うものとする。

という問題で

イ…XA間の売買は有効であるから、Xは、自分の土地を占有していることになり、その土地を時効取得することはできない。

この肢は×(バツ)なのですが、もしもYが58年2月に購入、登記まで済ませてXに対して昭和50年1月から10年間以内に裁判上の請求をした場合はXはその土地を時効取得するという認識でよろしいのでしょうか?

詳しい方からのアドバイスをいただけますと幸いです。よろしくお願いします。

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理解力の不足からか、後半の質問の内容がわかりません。

誰が誰に対して、どんな内容の裁判をするのですか?

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senpai 2016-02-10 14:59:37

ご回答ありがとうございます。

この肢は×(バツ)なのですが、もしもYが58年2月に購入、登記まで済ませてXに対して昭和50年1月から10年間以内に裁判上の請求をしなかった場合はXはその土地を時効成立、時効取得するという認識でよろしいのでしょうか?

質問内容がおかしい場合はご指摘いただけますと幸いです。よろしくお願いします。

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nabezou  2016-02-10 20:57:15

この問題は、下記の判例をもとにしています。

事案

Yは昭和27年11月から、本件家屋をAから贈与を受けて占有してきました。ただし、所有権移転の登記をしませんでした。他方、Xは本件家屋を競落して、代金を完済して、昭和37年10月29日に所有権取得登記を具備しました。そこで、Xは、本件家屋の所有権に基づいて、家屋を占有するYに対して、家屋の明渡しを求めて提訴しました。これに対して、Yは、昭和37年11月をもって本件家屋の所有権を時効取得した、それを、時効完成前の本件家屋取得者であるXに対して登記なくても対抗できる(時効完成時の当事者同士だから)、と主張しました。そんな事案です。

判旨


民法一六二条所定の占有者には、権利なくして占有をした者のほか、所有権に基づいて占有をした者をも包含するものと解するのを相当とする(大審院昭 和八年(オ)第二三〇一号同九年五月二八日判決、民集一三巻八五七頁参照)。すなわち、所有権に基づいて不動産を占有する者についても、民法一六二条の適用があるものと解すべきである。けだし、取得時効は、当該物件を永続して占有するという事実状態を、一定の場合に、権利関係にまで高めようとする制度であるから、 所有権に基づいて不動産を永く占有する者であつても、その登記を経由していない等のために所有権取得の立証が困難であつたり、または所有権の取得を第三者に対抗することができない等の場合において、取得時効による権利取得を主張できると解することが制度本来の趣旨に合致するものというべきであり、民法一六二条が時効取得の対象物を他人の物としたのは、通常の場合において、自己の物について取得時効を援用することは無意味であるからにほかならないのであつて、同条は、自己の物について取得時効の援用を許さない趣旨ではないからである。

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senpai 2016-02-11 08:38:00

ご回答ありがとうございます。まだまだ理解しがたい部分もありますがいろいろ調べて何とか解決できればと思います。また質問させていただきますのでその際はご回答いただけますと幸いです。よろしくお願いします。

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nabezou  2016-02-11 23:15:25

nabezou様

こんにちは。nabezou様の認識で間違いないと思います。

詳細登記六法(平成28年版)より

(最判昭和46.11.5)
不動産の二重譲渡の場合、第二の買主は所有権移転登記を備えたときに完全に所有権を取得するが、その所有権は売主から直接第二の買主に移転するのであって、第一の買主は当初から全く所有権を取得しなかったことになるから、第一の買主がその買受後不動産の占有を取得し、その時から民法162条に定める時効期間を経過したときは、同条により当該不動産を時効によって取得することができる。

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shako 2016-02-14 12:02:31

nabezou様

kochanと申します。
貴殿の認識の件ですが・・・ 裁判上の請求した場合、と言う箇所を除いてはそのような帰結で宜しいかと存じます。
すなわち、取得時効とは消滅時効と違って、本問の場合は所有権の取得であり、一般的に所有権は消滅はしないと解されている点、及び取得時効は原所有者からの占有継続による所有権の移転としての効果取得と解されています。なので、債権の消滅とは、もともとの効果定義としての根拠が異なり、特段に時効中断たる要件を具備することは不要と考えます(もちろん、当該占有者が取得時効の援用などの手続きをしない場合ですが・・・)。
よって、取得者としては確定的に所有権を取得するには援用手続きをすればよいのではないでしょうか。
ただし、占有を継続している取得者が現所有者からの立ち退き請求に応じなければ、実際としての対応は建物退去請求を提訴することになるとは存じます。

H28,2,16追記
貴殿には予想外の当方の記載だったのでしょうか?
少しばかり判例などを引用して記したいと思います。
そもそも、所有権の取得時効は上述していますが、被取得者つまり所有権を取得される地権者としての法律上の所有権たる地位は物権変動がない限り移転しません。そこで、取得時効との関係となるのですが、貴殿は裁判上の請求などの時効中断の事由の要件の具備により被取得者の当該所有権が確定して取得者の時効取得の権利が停止または消滅されるとの理解であると当方は判断しての回答となったのですが、もう察知されいるかもしれませんが、取得時効の権利は債権ではなく形成権であり、成立要件による一方的意思表示により法律効果が生じることとなるり、他方、所有権は消滅時効にはかからないことは一般的に解されていることは争いはありません。よって、以上から民法145条は裁判所は当事者の援用がない場合には時効の成立に伴う権利変動を前提にして裁判をすることができないといっているのであり、そのことはまさに当事案のことであることは疑う余地はありません。また、学説の対立として実体法上は時効の期間経過により確定的に効果が生じ、援用は不用とする確定効果説と援用は時効の効果に関する実体上の意味を持つとする、すなわち援用により確定する効果であるとする説、不確定効果説がありますが、判例 最判昭61.3.7は訴訟法上の弁論主義における一般原則としては確定説より不確定効果説が妥当とすべきと判示しています。
なので、貴殿の認識なる主張においては裁判上の請求の文言が記されると、回答としての正誤は誤りと判断せざるを得ないのです。
それから、貴殿が認識と言う疑問は司法書士試験の民法として直接的な範囲とはならないと思います。これは要件事実にかかわる訴訟法の問題となると存じます。

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kochan 2016-02-16 12:49:38

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