akiaki 2016-02-16 17:57:49
取締役会非設置会社において、
❶株式無償割当ての権限を取締役に委譲する定款の定めがあった場合、この定めは有効であり、当該定款規定があると株主総会は無償割当てをする権限を失うとされています。186条3項
上記事例はテキストに記載がありました。
そこで、取締役会非設置会社において
❷株式分割の権限を取締役に委譲する定款の定めは有効なのでしょうか?183条には186条3項のような定款で別段の定めができるという規定がないので、どうなのかな?と疑問が生じております。
取締役会非設置会社において
❷株式分割の権限を取締役に委譲する定款の定めは無効です。
会社法の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、
取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しないからです(会社法295条3項)。
おっしゃるように,
株式無償割当てのようなただし書がないので,このように解さざるを得ません。
ちなみに,取締役会設置会社において
株式分割を株主総会の決議事項とする定款の定めは有効です。
こちらは,会社法295条2項
「取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。」
にいう「定款で定めた事項」に関し制限がない(定款で定めた事項なら何でも決議できる)と解されているからです。
もっとも,このように定めた場合であっても,取締役会の法定権限を
完全に奪う効果はないので,取締役会決議でも株式分割を行うことができます。
これに対し,取締役会設置会社において
株式無償割当てを株主総会の決議事項とする定款の定めを設けた場合,
取締役会決議で株式無償割当てを行うことはできません(会社法186条3項ただし書)。
以上が,立案担当官の見解に沿った標準的な解釈になると思います。
司法書士試験の対策としては,このようにとらえておけばいいのではないでしょうか。
ただし,株式分割・株式無償割当てという類似した行為に関し
このような規律の差を設ける実質的な理由があるのだろうか,
といった類の批判はあります(商業登記ハンドブック1-2-21参照)。
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kilroy2014 2016-02-17 14:39:59