司法書士の勉強中に発生する疑問を解決する質問広場

/③商登法/極 書式(完成)編 商業登記法Ⅰ第2問

infini 2016-03-20 15:59:52

極 書式(完成)編 商業登記法Ⅰ第2問についての質問です。

1.前提
 公開会社 取締役会設置会社 A及びBの種類株式発行会社

2.平成28年5月7日臨時株主総会で定款変更を決議
 変更内容
 ① A種類株式に譲渡制限設定
 ② B種類株式に譲渡制限設定
 ①②の効力発生日は、平成28年6月29日

3.平成28年6月14日取締役会でA種類株式について募集株式の発行を決定
 効力発生日 平成28年6月28日

4.上記の事情において、解説では、譲渡制限の効力発生日よりも先に募集株式の発行の効力が生じているので、譲渡制限の定款変更の効力は否定されるとのことでした。

質問
確かに、A種類株式については解説のとおりだと思いますが、何故、B種類株式について譲渡制限の定款変更の効力は認められないのでしょうか。
譲渡制限の定めの設定は、種類株式ごとに設定が可能だとすれば、その有効性も個別に考えるべきではないでしょうか。何か先例等があるのでしょうか。

回答順に表示     新しい回答から表示     参考になった順に表示

infini様

kochanと申します。
極書式編を所持していないので・・・しかし、貴殿の質問には回答できますので・・・。

B種類株式の定款変更の効力は株主総会決議により平成28年6月29日に生じますよ。
A種類株式を増加させることによる募株は当該6月29日に効力が生じますので、AB種類が譲渡制限種類となる効力発生日とは異なる日であることは理解されていますよね。なので、双方の定款変更には共通性が認められないので、別個独立した事項として影響し合わずに変更が生じます。
仮に制限種類株式への変更の効力の期日が先にあるならば、当該募株は会社法199条4項の影響を受けることになります。平成27年の記述問題の争点と同じ振り合いですね。

投稿内容を修正

参考になった:1

kochan 2016-03-20 19:18:25

式の譲渡制限に関する規定の設定をするため必要な手続きは何でしょうか?(種類株式発行会社において)





株主総会特別決議(309条2項11号)
種類株主総会特殊決議(111条2項 324条3項1号)
種類株主総会特別決議(322条1項1号ィ 324条2項4号)
効力発生日の20日前までに株主に対して通知又は公告し、反対株主の株式買取請求手続き(116条)
効力発生日の20日前までに新株予約権者に対して通知又は公告をし、新株予約権買取請求手続き(118条)
一定の場合においての株券提供公告(219条)


これだけの手続きを踏まなければなりません。(ほかに必要な手続きがあったら申し訳ありません。)
 
質問の設定の場合、株式の譲渡に関する規定の設定の効力が生じる前に新規の株主が生じることになります。そうすると譲渡制限株式設定にかかる株主総会の決議自体に影響はないかもしれませんが、新規の株主は当該株主総会において反対の意思表示をする機会を失います。さらに、20日前までの通知又は公告をすることも不可能となり、譲渡制限株式を設定する場合に保障されている株式買取請求権を行使することができなくなってしまいます。
このことはA種類株式B種類株式において違いはないです。
すなわち、いずれの種類株式においても株式の譲渡制限に関する規定の設定の登記の申請は受理されません。

また、この株式の譲渡に関する規定の設定が受理されない旨は先例等にあります。(昭51.3.18民四2157、登記研究344号47ページ)


次に株式の譲渡制限に関する規定の設定にかかる株主総会の決議後、募集株式の発行決議を行い、株式の譲渡制限に関する規定の設定の効力発生後に募集株式発行の効力が生じた場合においてですが、

この場合は、株式の譲渡制限に関する規定の設定の登記の申請は受理され、募集株式の発行による変更登記は受理されないといわれていますが、事前に募集株式の引き受けの申し込みをした者に株式の譲渡制限にかかる事項を通知していれば募集株式の発行による変更登記は受理されるとされています。(松井・ハンドブック243ページ)
ただし、どのくらい前までに通知をすればよいかの明確な基準がないうえに、募集株式の発行による変更登記が受理されない旨の先例はありませんので、試験では問いにくいと思います。

投稿内容を修正

参考になった:2

bolza 2016-03-22 23:11:56

質問タイトル画面へ