araf 2012-02-06 08:24:07
まず、肢オの内容ですが、『Aが動産甲をBに寄託している場合において、Aが甲をCに譲渡した。Cが指図による占有移転により甲の引渡しを受けたが、その後、Aは、Eに対して甲を 譲渡し、Eは、Aが無権利者であることについて善意無過失で甲を譲り受け、指図による占有移転によって甲の引渡しを受けた。指図による占有移転によって 占有を取得した場合にも即時取得の規定の適用があるから、この場合には、Eが甲の所有権を取得することになる。』というもので、正しい肢であるとされています。(合格ゾーン他)解説としては3つほど見つけましたが、内容としては肢中にもあるように、『即時取得は指図による占有移転でも認められるから』ということで(最判昭57.9.7)を挙げています。質問としましては、なぜAがEに占有を移転することができるのか、です。宜しくお願いします。
回答順に表示 新しい回答から表示 参考になった順に表示
Bに寄託しただけだからAに所有権がある。そしてCに譲渡したから、Aは無権利者になった。その後のEへの譲渡。ここで即時取得の話。無権利者は目的物の占有移転ができないのか。いや、できる。それを言ってるのが即時取得の条文。
寧ろ、どういう観点から占有移転できないのではと考えたのですか?
参考になった:1人
tatsuya19 2012-02-02 16:24:26
回答ありがとうございます。舌足らずだったようで申し訳ないです。疑問の所在ですが、自分なりの考え方では、まず、①指図による占有移転で即時取得が問題になる場合というのは、例えば、A→Bに賃貸借・B→Cに賃貸借・B→Dに指図による占有移転といった場合で、この場合、Bは無権限者ですが代理占有(間接占有)があるわけですよね。②ですが、事例ではA→Cに指図による占有移転があった時点でAは無権利者になると同時に代理占有をも失っているように思うのです。『指図による占有移転とは、引渡し(占有の移転)の方法の一つであり、占有代理人(直接占有者)によって占有権を有する者(間接占有者)が、自己の占有を第三者へ移転する場合に、占有代理人に対して、以後はその第三者のために占有すべき旨を命じることによって(間接)占有を移転する方法のことである(民法184条)。』③と考えると、『即時取得とは、動産を占有している無権利者を真の権利者と過失なく誤信して取引をした者に・・』とありますが、Aは「動産を占有している無権利者」ではないので、Cはそこから即時取得できないという順序で考えました。
araf 2012-02-02 16:46:19
Aは、巧妙な手口を使う詐欺者であり、倉庫業者B、Cが騙されてしまったからでしょう。
通常なら、Bは、Cに確認を取るのだが、何かしらテクニックを使ったのでしょう。
参考になった:1人
eikuranana 2012-02-02 16:29:08
。(「占有の承継」は即時取得の要件です)
このような「意見」は無用です。
即時取得は、政策的なものであり、占有権とは無関係です。
占有と所有権は別物であり、これを同列で論じることに無理があります。
また、不動産の規定と動産の規定は、フランス法ドイツ法の違いにより、理論上の整合性はありません。
法律をすべて一つの理論で説明できるという考えには、破たんがあります。
この問題の出題者は、正しいという前提で作成しています。
これが分からなければ、司法書士試験に合格することは永遠にありません。
eikuranana 2012-02-04 16:38:20
即時取得は政策的なものかどうか,はここの議論の場とは無関係ですネ。
それが分からなければはeikurananaさんは100年かけても,一生涯司法書士試験に合格できませんヨ。
頑張ってください。
neonext 2012-02-04 17:40:00
非常に面白いものの見方に感心します。
「何かしらテクニックを使った」・・・
いったいどんなテクニックなんだろう?
Aはきっと犯罪のテクニシャンなんでしょう。
すごく笑えますね。
あなたの回答を見て笑う人は,おそらくとても多く存在しています。
笑いを提供できる能力って羨ましいです。
きっと,いつもさまざまなな妄想を頭にめぐらせていらっしゃるのでしょうね。
でも,あなたの回答に「納得」する人って,果たしているのでしょうか?
今までいたのでしょうか?そこを考えてみてください。
(実際に数えてみるといいですよ。是非実践して下さい。即行動!)
お話をおもしろおかしく作り上げることは,司法書士試験では不要なんです。
人を笑わせる能力も試験に不要なんです。
お話を作りあげることは,個人の趣味としてはいいんですけどね,でもこの掲示板にそうした書き込みをすることはちょっといけませんよ。
あなたの珍回答を見て,笑う人もいるかと思います。
でも人を笑わせるためにこの掲示板は存在しているのではないのです。
原点に立てば,やっぱりあなたの珍回答はこの掲示板の趣旨に反しますよね。
少し厳しい言い方をしましたが気になさらないで下さい。
これからは,お話の作出はほどほどにして,勉強一筋ガンバって下さいね。
もし勉強方法で分からないことがありましたら,逆にこの掲示板に質問してみてはいかがでしょうか。
neonext 2012-02-04 18:36:48
AからCへの占有移転が現実の引渡しや簡易の引渡しなら、arafさんのおっしゃる③の考えに至るかも知れませんが、この事例では指図による占有移転です。ということはAにはまだ占有移転(指図による占有移転に限るが)をする権限が残っていると言えます。所有権の有無と占有権の有無の区別をしっかりとすることでこの点の理解ができると思います。
参考になった:1人
tatsuya19 2012-02-02 17:54:06
質問者の疑問はもっともです。常識では、今後Cのものとして保管してくれ、という指示は、Cに売ったから(Cの物として)ということを意味します。Cに占有を移転したから、Cを占有者として保管してくれ、などということは一般人からは信じられません。
よく、初学者は、民法の勉強をすると、二重売買が日常茶飯事のことと勘違いします。これは犯罪です。よくあることではありません。
eikuranana 2012-02-02 18:13:37
お二方とも回答有難うございます。考えるほどに分からなくなってきました。tatsuya19さんのおっしゃる『Aにはまだ占有移転(指図による占有移転に限るが)をする権限が残っていると言えます』の部分がどうしても理解できません。占有権を移転すれば占有者ではなくなるのが普通のように思いますし、Cが対抗要件を具備した以上AにはEが信頼するような権利者としての外観もないように思えます。占有改定のときに、さらに占有移転できることが問題になったのは、代理占有のみ移転し自己占有が残るからですよね。それに対する占有改定による即時取得否定説(判例)の根拠や肯定説への批判として、①占有改定による引渡しを受けた者が複数ある場合には、「遅い者勝ち」を認めることになる。物権は成立順に優先するという原則に反することになる。②即時取得制度が動産物権変動の対抗要件(178条)の公示方法としての不完全さをその次の段階で補充すべき機能を担ったものであるという、両制度の関係を看過している。③代理占有の場合、民法204 条1項列記の事由がない限り原権利者の代理占有は消滅しない④原権利者が信頼して物の占有を委ねた者に現実の占有があるので、占有の外観に変化がなく、原権利者の信頼が裏切られたことが、外形的にあきらかになっていない。といったものがありますが、指図による占有移転後に、さらに指図による占有移転→即時取得を認めるとこれらの批判がそのまま当てはまって矛盾してこないでしょうか。
araf 2012-02-02 19:56:37
eikuranaさんへ。あなたは二重売買ということの意味がよく分かってないみたいですね。
犯罪かどうかは,「刑法」という法律が決めるんです。
でも,二重売買というのは「民法」のお勉強なんです。
二重売買が刑法に抵触する場合って,どんな場合か分かりますか?
二重売買は,犯罪になる場合もあるけどならない場合もあるんですよ。
おそらくあなたは不動産実務をまったく知らないんですね。
千里の道も一歩から。ゴールははるか彼方ですが頑張って!
neonext 2012-02-04 17:45:17
Aは、Eに占有を移転することはできません。Aは、指図によりCに占有を移転したことにより、自己の占有を喪失しているからです。
余談ですが、仮に、AがEに占有を移転することができるとすると、Aも占有していることになりませんかね。
そうすると、Cの占有とAの占有の関係はどうなるのでしょうか。間接占有を共同する(共同占有)関係になるんですかね。
さらに、Eが占有を取得したあとの占有関係はどうなるんですかね。CやAの占有はどうなるんでしょうか。
私にはさっばりわかりません。
ところで、私の手元にあるTの解説もこの肢は「正しい」となっていますね。私は、「誤り」だと思いますが・・・
参考になった:0人
jiro180 2012-02-03 06:11:00
Aに正当な権限などありません。犯罪行為により「事実上」占有移転をしてしまっただけです。問題は、どうして占有を移転してしまったのかは気にせず、だまされた人たちの今後をどう扱うかを問うているのです。
参考になった:0人
eikuranana 2012-02-03 08:05:49
だまされた人たちの今後をどう扱うか,というのはなるほど,とても大事ですよね。
法律を学ぶ者の使命感としてそうした発想が生まれるのカナ?
うん,たしかにその気持ちはすごく大事だと思います。すばらしいです!
でもね,eikurananaさん,この問題は「だまされた人の今後をどう扱うか」を問うてるのではないんですよ。
(そこに気づくかどうかも,実はeikurananaさん自身にかかっています。どうか自分で気づいてみて下さいね)
ここで心がけをひとつ伝授しましょう。試験っていうのは,点さえとれればいいという「割り切り」も大事なんですよ。
たしかにね,使命感というのも人としてはすごく大事です。でも時折,それが試験対策という点では,不要なときもあるんですよ。ちょっと難しい話だったかなあ?
neonext 2012-02-04 17:53:43
Aは犯罪者です。偽モウ行為を用いて、動産の預かり証を手元に置くなどしていたのでしょう。
Aに権限などありません。
権限があるように見せかけていたのです。
それがわからなければ、司法書士試験には合格できません。
参考になった:0人
eikuranana 2012-02-03 18:13:31
Aは犯罪者であるとか,預り証を手元に置くなどというのは,この問題文には書いてありません。
どうしてそうのようなことを作出するのでしょうか?
これまでのあなたのトンチンカンな回答を見るにつれ,こうした「作出」が散見されます。
あなたの頭の中でこしらえた話を前提にして勝手な回答をしても,質問者は納得しませんよ。
あなたはとても想像力が豊かな方でいらっしゃるようですね。
実はそれもいいことで,法律の勉強をしているときって,結構想像力ってのが大事だったりもするんですよ。
テキストを読み,実際の事件(事件っていっても「犯罪」の事件ばかりではないですよ。念のため)を想像してみることって大事なんです。
でもね,「想像」が「創造」になってしまうとちょっと行き過ぎなこともあるんですよね。
とにもかくにもまずは早急に,今までのご自身の回答を,客観的に見直してみることをお勧めします。
(果たしてどれだけの人に納得いく回答をすることができたのか。それを見直してみるんです。人を納得させる技術っていうのも実は試験に必要な力なんですよ。独りよがりな回答をしていないか,それを見直すんです。それと同時に自分自身を見つめなおすんです。是非頑張って,力をふりしぼって,自分と対峙してください。)
あなたの今までの回答を見ると,民法の話を犯罪の話にすりかえてしまうのがお得意のパターンですね。
試験がダメでも,小説でもお書きになってみるのもいいかもしれませんよ。意外な才能が開花することもあるかも。大丈夫,世の中何もかもぜんぜんダメな人間なんていませんから。人には必ず何かできることがあるんです。応援してます!頑張ってくださいね。
neonext 2012-02-04 18:12:41
即時取得について誤解があるようです。
この制度は、即時取得者とその前主との間に連続性はありません。つまり、即時取得の要件に該当すれば、EはAの占有を承継して占有を始めたのではなく、いきなり突然に占有を始めることになるわけです。ですから、Aの占有は即時取得の要件にはなりません。取引行為の相手方が対象動産について処分権限を有する者でないというのが要件になります。
ただし、Aが占有者であるか否かによってEの即時取得のしやすさには影響するでしょう。Aが占有者でないのであれば、186条や188条によって推定されないので、Eは自己の善意無過失等を証明しなければならないでしょう。
参考になった:4人
purion 2012-02-04 09:51:17
回答有難うございます。まず、即時取得は原始取得ですので、「即時取得者とその前主との間に連続性はありません」については承知しているつもりです。問題としましては、「Aの占有は即時取得の要件にはなりません」の部分ですが、私見では、条文上も単に『動産の占有を始めた者は』とされているのは、前主の占有が当然の前提となっているからであると考えています。つまり、『何人も,自己が有するより多くの権利を他人に譲渡することができない』というのは占有権についても当てはまると考えています。即時取得という言葉をひいてみても、『「即時取得」とは - 動産の取引において、動産を占有している者を信頼して取引関係に入った者は、その占有者が無権利者であっても、その動産について権利を取得するという制度。』といったものとなっています。具体的には、そのように考えなければ、仮に、Aが動産甲をBに貸し渡した場合に、無権利でなんらの占有も有しないCがBに指図してDに占有を移転したような場合においても、Dが動産甲を即時取得しうる(Bの承諾は要求されないので)という結論に至らないでしょうか。私はjiro180さんと同様、この肢は誤りではないかと考えていますが、問題集の結論に至るためには、Aがなお占有者であるか、或いはtatsuya19さんのおっしゃるように、Aに占有者としてのなんらかの地位が残存していると考えなければならないと思っています。
araf 2012-02-04 11:31:07
二重譲渡については諸説アリアリで,難解な議論がいっぱいあるようですね。
不動産で言えば,不完全物権変動説の考え方を少しだけ理解する程度にとどめておくのが(試験対策上)いいみたいです。
さて,この問題は,動産の二重譲渡です。
ここからはすべて僕の私見です。まず前提となる知識を述べます。
着目すべき点は,第一の譲受人がどのように譲受をしているか,です。
第一の譲受人が,「現実の引渡し」or「簡易の引渡し」を受けていれば確定的に所有権を取得するので,第二の譲受人は勝ち目ゼロです。
反対に,第一の譲受人が「占有改定」を受けているだけなら,第二の譲受人が即時取得による勝ち目アリということですよね。
「前者」は第一譲受人勝ちです。「後者」は第二譲受人勝ちです。これらは,ご承知のとおり明確です。
件の問題は,第一の譲受人が「指図による占有移転」を受けているパターンです。
これは,「前者」・「後者」のまさに中間にあるなあ,と感じました。
ここから先は,他の肢との関係で,出題者がこの肢を「正しい肢」として出したという前提で話します。というか,そういう考えをしなければならないと思います。
第二譲受人の勝ちの結論を出すには,即時取得を認めなければなりません。
ということは,arafさんの言うとおり,AはEに譲り渡すときに,「占有」がなければなりません。(「占有の承継」は即時取得の要件です)
あくまで感覚的な話なんですが,ここで,不動産の不完全物権変動説の考え方を持ち込んでみてはいかかでしょう。
不完全物権変動説では,第一の譲受を「不完全」なものとみる理由として,分かりやすく言うと,『登記を備えるまでは外部から分からないため確定的でない』とします。
また,譲渡人には登記が残っているからまったくの無権利者ではないんだと言います。
ホントは所有権なんてないのに,しかし「残りカス」を持っている,だから二重譲渡が可能と言ってるんですね。
これを当てはめてみましょう。AはCに譲り渡したが,それは指図移転だから「外部から分かりにくいので確定的でない」。またAはさっきまで所有権を持っていた(甲動産との関わりがまったくない赤の他人というわけではない)ので「残りカス」をもっている。だから,A⇒Eの占有(残りかす)の承継があったと言ってよい。(念のため言っておくと,動産には登記はないから,やっぱりAは無権利者だ。(「A=無権利者」も即時取得の要件))こんな感じで納得されてはいかがでしょう?
参考になった:1人
neonext 2012-02-04 13:41:26
eikurananaさんは,いたるところでトンチンカンな珍回答を頻発されていますが,質問者が何を聞きたいのかをまず一度じっくり考えてみるといいですよ。これって実はスゴク大事なことで,試験対策にもなるんです。問題文が何を聞きたいかを読み違えてしまうと合格できませんよ!
まずは,今までの自分の回答を振り返ってみて,的外れなことを述べていることに気づくところから始めてみてはいかがでしょうか?そうしなければあなたは一生合格できませんよ。あなたのこれまでの回答を見ればわかりますが,あなたはまだ法律の勉強を始めたばかりの初学者さんですよね?僕もあなた同様法律の初学者です。
これからはお互い前向きに頑張りましょう。
この掲示板を小泉先生が立ち上げた趣旨をよく理解し,いい加減な書き込みは今後一切やめてくださいネ。これからはもっと頑張りましょう!ガンバレ!eikurananaさん!
neonext 2012-02-04 17:26:01
前にした投稿の補足です。
この問題の正解は、法務省の発表によれば、「3」です。
ということは、出題者は肢のイとエが「誤り」と判断したことになります。
このことを前提とすれば、出題者は肢のアが「正しい」と判断したことがわかります。
なぜならば、仮に、肢のアが「誤り」だとすると、正解が「1」と「3」の二つになってしまうからです。同様に、肢のウも「正しい」と判断したはずです。では、肢のオはどう判断したのでしょうか。これは不明だというべきでしょう。すなわち、肢のオを「正しい」と判断した可能性もあるし、「誤り」と判断した可能性もあるということです。なぜなら、いずれの判断をしたにせよ、正解が二つになることはないからです。
以上の考えを前提として、自分の考えを述べました。
参考になった:1人
jiro180 2012-02-04 15:09:33
問題作成者は、「法務省民事局付検事」です。彼に、一号仮登記と二号仮登記の区別がつきますか。
仮登記という大きなくくりで出題しています。
eikuranana 2012-02-04 16:59:57
eikurananaさんへ。
質問者の意図がわからなければ,まずはじっくり質問者が何を疑問に思ってるのかを考えてみてくださいね。
あなたのこれまでの回答は,的外れですよ。客観的にみてください。
あなたの回答に心から納得している人って,今までどれくらいいましたか?
数えてみて下さいネ。数くらいは数えられますよね?大丈夫,すごく少ないですから。
お勉強はそれからだ!ガンバレ!
neonext 2012-02-04 17:29:57
回答有難うございます。前述した「Aに占有者としてのなんらかの地位が残存していると考えなければならない」というのは、まさに不完全物権変動説を意識したものだったのですが、これについては、tatsuya19さんの回答を頂いた折に考えてみましたが、不完全物権変動説における『不完全』というのは第一譲受人が「登記」という177条の第三者対抗要件を備えていないことに基づいた不完全さを指しますよね。これに対して、事例では第一譲受人が「引渡し」という動産物権変動における178条の第三者対抗要件を備えていますので、少なくともそのまま当てはめることはできないように思います。しかし、neonextさんのおっしゃるように指図による占有移転という引渡し方法そのものの不完全さをもって説明付けることは可能ですよね。また、動産質権の二重設定の折に、指図による占有移転によって質権を設定した後に、さらに第二の質権設定ができたことも、これを裏付ける根拠になるかもしれません。これらを踏まえて自分なりの考えをまとめると、①占有を移転したのだからAは占有権を失う。②これに対して上記のような法律構成をとることは可能。③しかし、それを導く判例等の根拠が見つからないし、これを認めると占有改定での即時取得を否定する判例自身の見解と矛盾をきたすように思える。また、解説が引用している(最判昭57.9.7)は代理占有者が指図による占有移転をした場面である(つまり、判例の見解と矛盾しない)、というかんじなんです。(他にも担保的構成説をとったときに弁済期前に譲渡担保権者からの指図による占有移転での即時取得の余地がないことや、指図による占有移転で即時取得が認められなかった判例なども考えてみました。)あまり踏み込んで考えても仕方がないとは自分でも思うのですが、基本的な理解を誤りたくないと思い少し引っぱってしまいました。このあたりで納得しようと思います。回答して頂いた方有難うございました。
参考になった:3人
araf 2012-02-04 22:45:46
公信の原則をご存知のことと思います。権利の外観を信頼して取引をした者は、譲渡人の権利の有無とは関係なく権利を取得するという原則です。このことを前提とすれば、譲渡人の占有の有無や動産についての処分権限の有無についてどうでもいいのです。その証拠に、192条で取引の相手方について規定する文言がありません。大事なのは、実体と異なる外観を信頼したことの証明です。もし、譲渡人が占有者があれば、指図による占有移転で占有を承継し平穏かつ公然と動産の占有を始めたことは推定されるので簡単です。一方、譲渡人が占有者でなければ、権限がない指図による占有移転によって平穏かつ公然と動産の占有を始めたといえるのか自ら証明し、信頼するに値すると判断されれば、即時取得する余地はあります。このように、公信の原則を貫くと権利のないところから権利が生じることになり、違和感を感じるのかもしれません。最後に、一度納得されたにもかかわらず穿り返すようで、申し訳ありません。
参考になった:3人
purion 2012-02-05 23:37:32
purionさん回答有難うございます。良くない流れになっていましたので打ち切らなければと思ってのことですが、自分としてもちゃんと理解したいという気持ちがあります。purionさんの見解は論理的でとても説得力があります。186条①・188条についてもそうですし、無から有が生じる交信の原則を徹底すれば、その結論を導くことができます。特に即時取得は94条②の権利外観法理と違って必ずしも原権利者の帰責性が要求されないですし。これに対する自分なりの考えとその根拠を書きますと、まず実質的には、前述しましたように、①即時取得という言葉の定義的な説明です。手持ちのLECの解説にも占有の承継が要件であること、また占有への信頼の保護という言葉が使われています。②この考えを貫くと、唯一の所有者兼占有者である者が、ある日突然、第三者に即時取得されるという余地を残す結論に至ること。次に法的な根拠として、③192条で即時取得することのできる権利は過去問にもありますように、所有権と質権であるとされていることです。(非典型担保の譲渡担保と、特殊な動産先取特権等は除きます。)この考え方でいくと占有権を即時取得したことになります。④最後に、前述した担保的構成説(の内の二段物権変動説)をとったときの譲渡担保権者からの即時取得の可否がここにもあてはまると思います。少し詳細を書きますと、『この説によると、担保権者が弁済期前に目的物を第三者に譲渡した場合、この第三者は原則として所有権を取得できないが、当該目的物が不動産のときにかぎり一定の場合には完全な所有権を取得できる。』という肢があり正しいとされます。その解説として、『動産にあっては、その占有は設定者のもとにあるので、担保権者から第三者への占有移転は観念しえないからである』として即時取得を否定しています。(この説では担保機能を担保権者に留保して、占有権含むその他の機能は設定者に戻る。)
araf 2012-02-06 08:24:07