image 2012-04-26 22:57:03
民事保全法と民事執行法の基本的構造の比較について、よくわからないので教えて下さい。民事保全法では、手続が2個に分かれていて、①保全命令の発令手続 ②保全執行をする手続 に分かれると習いました。理由は、仮差押を認めてくれたら、仮差押が発令されるが、だからといって、仮差押の執行を発令裁判所がやってくれないから、と習いました。この手続が2個に分かれるという点を、民事執行法との比較において、どのように考えればよいのでしょうか?債務名義が成立して、執行文を付与されるまでが、保全命令の発令にあたり、執行裁判所に申し立ててからが、保全執行をする手続にあたるのでしょうか?それとも、債務名義、執行文をそろえて執行裁判所に申立て、差押の登記が嘱託で入るまでが、保全命令の発令手続にあたり、それ以後の強制執行が、保全執行手続にあたるのでしょうか?
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だいたい前者の考え方でいいと思います。細かく追求していくと違う勉強になりそうです。
強制執行の場合、民事訴訟の裁判等で決着がついた後に申し立てるので、民事訴訟で受けた判決正本等の債務名義を既に手に入れており、既に債務名義によって差押する権利があることが証明されている。しかし、強制執行としての差押の申し立ては債務名義が債権者に送達された日から一定期間内にしなければならないという期間制限がないため、判決後に状況が変わってる場合もあり、原則、債務名義にまだ差押の執行力があることの証明として書記官に執行文を付与してもらわなければならない。その執行文付き債務名義に基づいて、差押を申し立てる。一方、保全執行の場合、民事訴訟の裁判中に判決がでるの待ってたら、財産を処分されてしまいそうだから、なんとかしたいが、まだ裁判所が判決だしてくれず、債務名義もないので、差押はおろか仮差押もできない。そこでまず仮差押する権利があることを証明するために、裁判所に判決まで待ってられないから、判決とは別に先に保全命令だしてくれと申し立てる。その申し立てによって裁判所がだした保全命令正本に基づいて、仮差押を申し立てる。保全執行の申し立ては、期間制限のない強制執行の申し立てとは違い、債権者に保全命令正本が送達されてから2週間内にしなければならないという期間制限があり、保全命令正本がでてから状況が変わるということはないので、保全命令正本のみで仮差押の執行力を証明でき、執行力があることの証明としての執行文を受けることは不要。
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ppp 2012-04-23 23:49:30
pppさん、ご指導頂き、ありがとうございました。ご教示頂いたとおり、私の後者の考え方(登記簿に差押、仮差押の嘱託登記が入ることを、発令手続に入れる)という考え方は、間違っており、あくまで、強制執行、保全執行の執行手続の中に、執行裁判所、保全執行裁判所の書記官が差押、仮差押の嘱託登記をすることが入るのだと思います。また、民事執行法上、執行文付与と、執行開始以降の執行手続きを分けて考え、民事訴訟手続で得た債務名義に、執行文付与を受けるまでが、民事保全法上の保全命令発令手続にあたり、執行開始以降の執行手続が、民事保全法上の保全執行手続にあたるのだと考えるとすっきりするような気がします。
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image 2012-04-26 22:57:03