司法書士試験は、法律系資格の中で、司法試験に次ぐ難関資格です。毎年合格率は4%程度で、その受験生の質も高く、高いレベルでの争いとなります。また、択一式と記述式、口述といった試験内容の多様性や試験科目の多さも、試験対策を難しくしています。
司法書士試験の合格率は、
2017年 4.1%(合格者数629名)
2018年 4.3%(合格者数621名)
2019年 4.4%(合格者数601名)
2020年 5.2%(合格者数595名)
2021年 5.1%(合格者数613名)
となっています。
司法書士試験はこのように合格率をみるだけでも、その難しさがわかるのですが、問題はその受験者の層です。他の多くの資格とは違い、社会人で仕事をしながら受験をしているのではなく、勉強専念型や学生が多く、受験者自体のレベルが非常に高いです。とりあえず受けてみよう、とか、持っていれば何か役に立つかな、というレベルの気持ちで勝ち抜ける資格試験ではありません。
その難易度に比例して、合格をすれば社会的評価も高く、独立開業し高額年収を狙うことも可能な資格です。
次に、試験内容の面を見てみます。試験科目が「民法」「商法」「憲法」「刑法」「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」「不動産登記法」「商業登記法」「供託法」「司法書士法」と11科目あります。科目数が非常に多く学習内容が広範囲にわたります。また、問われる知識も細かい部分が問われ、正確な知識が要求されます。試験形態は「択一マークシート式」「記述式」「口述式」とあります。「択一マークシート式」は、マークシートといえども出題方法に工夫が凝らされており、生半可な知識だけでは正答にたどり着けなくなっています。また試験時間に対して出題数が多く、一問あたり3分程度解いていく必要があり、じっくりと考えている時間の余裕はないため、出題の意図を瞬時に読み取り、必要な情報を頭の引き出しから出してくるレスポンスの良さも要求されます。「記述式」は、司法書士のメイン業務である登記の書面を実際にその場で書くという実務に直結する知識を問われる試験です。こちらも間違いやすいワナが隠された問題文を読み取り、『限られた時間内』で『正確に』書類作成をする点に難しさがあります。
司法書士試験の難易度の高さは、司法書士という職業が、この試験をパスできるだけの豊富な法律知識と早くて正確な事務処理能力が要求される仕事であることの裏返しなのでしょう。
ちなみに、3つめの試験の「口述式」ですが、これは筆記試験(択一マークシート式、記述式)合格者のみが受ける面接試験のようなもので、ほとんどの場合、合格できる試験なので、筆記試験がヤマ場です。
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