本試験に出題される問題の5割から6割は、過去問と同じ論点が問われています。過去問を完璧にマスターしていれば、合格ラインに大きく近づくことができます。
また、過去問の勉強法としては、選択枝のひとつひとつについて、個別に○×とその理由まですぐに判断できるようにならなければいけません。そこまでして、はじめて過去問の勉強が済んだといえるのです。
司法書士試験に限らず、資格試験に合格するための勉強においては、テキストを読んで試験科目の内容を自分の知識とする(インプット)だけではなく、問題を解く力(アウトプット)を養成することも重要です。いくらテキストを読み、暗記をし、その知識量を誇ったとしても、その知識を試験の点数につなげられなければ、合格にはならないからです。この問題を解く力は、テキストを何度読み返しても、それだけでは身に付きません。問題を実際に解く必要があります。これに最適な題材が過去の本試験問題(過去問)です。
実は、本試験で問われる論点は繰り返し出題されることが多くなっています。例年、本試験で出題される範囲を10割と考えた場合、全体のうち5割から6割は、過去に出題された論点が、繰り返し出題されています。半分以上は過去問の論点なのです。司法書士試験の合格ラインはだいたい8割です。つまり「過去問+2〜3割」で合格レベルに達することができるのです。
もし、本試験で過去に出題された論点と同じ論点が出題された場合は、絶対に落としてはいけません。試験は1点差が合否を分けます。そして、合否ラインに到底届かないレベルの受験生であれば、いざ知らず、合格ライン付近にやってくる受験生は、間違いなく過去問を潰しています。つまり、ライバル達は、その問題を得点するのです。そこで、自分がその問題を落としてしまうと、その1問が命取りになりかねません。他の受験生もできない問題を取りこぼすことは合否に大きく影響しません。ライバルが正解するであろう問題を落とすのは、絶対にさけなければいけません。
次に、過去問の勉強法ですが、過去問の勉強をする場合、漫然と問題を解くだけではいけません。模擬試験などは別ですが、普段の勉強で過去問を解くときには、選択肢の一つ一つを丁寧に見て、すべての枝について、○か×かとその理由がすぐに判断できるようにならなければいけません。このとき、問題として正解したかどうかは関係ないのです。本試験では、同一論点であっても、視点を変えて出題され、決して同じ問題は出題されないからです。このため、過去に出題された問題であれば、正解するだけでは不十分で、5つすべての枝について、○×とその理由を理解しておく必要があるのです。ここまで出来て、はじめてその問題の勉強が完了したことになります。
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