司法書士と他資格専門家との関わり

司法書士は、仕事上他の専門家と連携することもあります。宅建は司法書士のメイン業務である不動産業界ですし、一般市民の法律的権利保護では、弁護士や行政書士と関連します。また、企業の顧問的な仕事では、税理士などの会計専門家とも連携します。

司法試験と司法書士

司法試験は現在の日本の資格制度の中では最も難しいとされる試験です。以前は合格までに10年程度かかるのが普通と言われていた時代もありますが、現在は、旧司法試験から新司法試験に移行しており、まったく旧司法試験時代と試験のシステムが違います。
現在の新司法試験制度では、法科大学院修了後に司法試験を受験することが基本です。このため、まず、法科大学院に入学する必要があります。
新司法試験の合格率は50%程度のため、司法書士試験よりも合格しやすくなったように表面上は見えますが、司法試験には論文式試験があり、出題形式がさらに難関です。この論文式試験があるという意味で、司法書士試験よりも司法試験の方が難しいと言えるでしょう。

司法書士と宅建

宅地建物取引主任者(宅建)は、不動産取引が行われるときに、顧客に物件の重要事項の説明を行い、説明書面と契約書面にサインをしてもらう仕事で、これは宅地建物取引主任者の独占業務として認められています。
宅建試験はマークシート方式で、半年ほどの勉強期間でも合格を狙えると言われています。宅建試験受験者の多くは不動産関連の会社に勤める人で、これは、顧客に対して前述のサービスを提供する場合に、必ず宅建の資格を持っていることが必要であるからです。
最終的には、司法書士試験を受験する方が、法律系資格試験の入門的な感覚で勉強している場合もあります。

司法書士と行政書士

司法書士は法的な書類の作成や登記が主な仕事です。法務局や裁判所、検察庁などに提出する書類の作成や手続きの代理などを行います。
これに対して、行政書士は行政書類の作成や手続きが主な仕事です。役所へ提出する許認可申請などの書類の作成と手続きの代理などを行います。
弁護士法・司法書士法・弁理士法・税理士法など、他の法律系資格で扱う内容で業務を制限されますが、それ以外のすべての法律事務を行うことが可能です。
行政書士の場合、扱う業務の範囲が広いので、自分の得意な業務に特化して仕事をするのが特徴です。
行政書士試験の合格率は、過去10年間の平均は8%程度ですが、過去20年間で低い年では2%台、高い年では19%台となっています。
合否が、司法書士試験が相対評価であることに対して、行政書士試験は絶対評価で決まるので、その年によって合格率の高低差が激しいのが特徴です。
司法書士試験は、受験科目数の多さや合格率3%台という数値からみても、行政書士と比べてさらに難関の試験と言えるでしょう。

司法書士と税理士

税理士は税務に関する専門家として、自営業者や法人が税務署とのやり取りをするときに、間に入ってアドバイスを行います。
本業の税務コンサルティングだけではなく、経理部門をもつほどの規模ではない、中小企業の記帳代行や決算業務のサポートをはじめ、企業会計のコンサルティングを生業としています。
税理士は、個人の自営業者や中小企業と密接に関わって仕事をするので、経営者の相談役のような立場の方も多く、高収入も見込める資格です。
税理士試験の一番の特徴は、科目合格制で、一度に5科目すべて合格する必要はありません。1科目ずつ、最終的に5科目合格すれば税理士になることができます。
司法書士試験では、どれだけ高得点の取れた科目があっても、不合格になればまた、翌年も全科目を受験しないといけません。
試験方式が違うため、司法書士試験と単純に難しさを比較することはできませんが、一般的にはどちらも同レベルの高い難易度と言われています。

 

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